「宿題をしなさい」と忠告をすること、叱ること、怒ることは、心理学者のアドラーさんとしては、やってはいけない行為としていますが、どこまで口出しをすればいいのか?どこまでしていいのか?について、アドラーさんは次のように考えられていましたのでご紹介します。
頼まれてもいないのに、手出しや口出しをすると、苦境にあるときにはいつでも親が助けてくれると考えて子どもは依存的になってしまうかもしれません。そうなると、自分には能力があるとは思えないようになるのかもしれません。
手出し、口出しをするほうが簡単でしょう。それを敢えてしないのです。しかし、これは放任ではありません。もしも子どもの手に余ることであれば、あるいは結末を体験すると危険がある場合は、出て行かなければなりません。
『アドラー心理学入門』岸見一郎(著)p.78
このような自然な結末によって、自分には能力があって、人々は自分の味方であると援助するためであって、結末が、その逆になるのであれば、罰を与えるような体験となるため、その部分については前もって大人が手助けをしなければならないということになります。
子どものために、親に依存しないように、自立して生きていくための準備をストレスなく、行っていくためのご家庭での努力が必要なのだと考えられます。
やり方や、過程などは、ご家庭それぞれでいいと思いますが、基本的な考え方については、チャレンジをさせることや、ひとりで考えさせること、結論を出してみることなど、それを見守るということではないかと考えられます。
覚醒剤に手を出すようなことがあれば、結末としては最悪になりますので、それは、出ていかなければならないシーンになるかと思います。
ほとんどは、手を出さなくてもいいような気もしますが、ケースごとに意見交換が出来たら、いろいろな目線、価値観が分かるので、それは充実した時間になりそうな気がします。