日本は、少子超高齢化社会になるなか、出生率が低いことでも知られています。それに比べ、発展途上国の国が、出生率が多いことが気になっていました。
設備が整っている病院もなく、教育水準も低い、産業も発展していないという中で、どうして出生率が高いのか、いつも疑問でした。
まずは、発展途上国の子どもが、学校にいけない理由が載っていたので、ご紹介します。
・家の手伝いをしなければならない。
・収入を得るために働かなければならない。
・教科書や文房具を買うお金がない。
・子どもが勉強をすることを、親が必要ないと考えている。
シリーズ格差を考える〈2〉教育格差 p.8
要するに、学校に行かないのは、将来の投資としての教育よりも、「今」を生きることで精一杯だからということになります。
文字を読み書きできない人は、世界の人口(15歳以上)のおよそ18%です(2006年)文字が読めないと知識や情報が得られません。考える力も身につきません。生きていくうえで、とても損をします。命にかかわるようなめにあうこともあります。
《中略》
・正しい知識を得ることができないため、HIV/エイズなど、さまざまな病気に感染する可能性が高まる。
・女子の場合、若すぎる妊娠や出産が原因での死亡という可能性も高くなる。
これらはほんの一例ですが、ほかにもさまざまな理由により、識字率と5歳までの死亡率とが関係することが、これまでの研究でも分かっているのです。
✳︎ユニセフの調査によると、15歳未満の女子が妊娠・出産時に命を落とす可能性は20代の女性の5倍だという。
《中略》
文字が読めず計算ができない
↓
仕事を見つけにくい。仕事が限られてしまう。
↓
のぞましい収入が得られない
↓
自分の子どもにも教育を受けさせられない
(「文字が読めず計算ができない」に戻る)
シリーズ格差を考える〈2〉教育格差 p.22
これが、「貧困の悪循環」と言われている社会問題で、識字率が低いと、5歳未満の児童が死亡する率も高くなってしまうことになることが分かっています。
初めの疑問に戻りますが、なぜ、発展途上国の国の出生率が高いのかの答えは、本には書いていません。個人的な推測で申し訳ないのですが、生きていくために、何人もの子どもを産むことで対処しているのではないかと思います。
生まれてからすぐの死亡率も高く、大人になっても、病気のリスクは先進国に比べて高く、直すだけの技術も国に備わっていないため、今の解決策としては、子どもを産むことなのではないかと考えられます。
その国が努力すれば、変わることができる話ではなく、他国の協力が必要になるというワケです(SDGsの取組み)。