アイスランドは、過酷な自然環境であるため、国内戦争は日本に比べて圧倒的に少ないのですが、ヴァイキングの時代に奴隷をアイスランドにつれてきていたことが分かりました。
ノルウェー人たちが移住してきたのは、当時ノルウェーを統一しようとしていた国王、金髪のハーラルの統治からのがれるためだったと思われる。王は国内の比較的勢力の弱い指導者たちを、自分の支配に組み入れようとしたので、一部の指導者たちは、屈服より国外脱出を選んだのである。
おなじころ、ほかの北欧諸国からも少数の人びとがこの国にやってきた。だが初期定住者のうちで、ノルウェー出身でない者の大部分は、アイルランドとスコットランド出身のケルト系の人びとで、彼らは妻や奴隷としてつれてこられたのである。
先に到着した者ほど広い土地を自分のものとし、近親や一族や友人にそれを分配した。こうしてたぶんに自給自足的な農業共同体が各地につくられた。おくれて到着した者たちは、のこされたせまい土地を耕すしかなかった。
『アイスランド (目で見る世界の国々)』 メアリー・M.ロジャース (著), Mary M.Rogers (原著), 後藤 安彦 (翻訳) p.24
ノルウェー人が、どうしてこのアイスランドにやってきたのか疑問でしたが、ここにハッキリと「金髪のハーラル」の統治から逃れるためということが分かりました。
アイスランドという小さな国で、みんなで力を合わせて生きていきやすい環境であると思いますし、奴隷はいらないのでは?とも思ってしまいます。統治から離れて、新しい国で奴隷がいることによって優位性を味わっていたのか?とも想像してしまいます。または、自分たちは、外に商売、営業に行って日常的な作業をさせるために連れてこられたのかもしれません。
キリスト教を信仰するノルウェー王オーラフ1世トリグヴァソンが、アイスランドがキリスト教の信仰を採用することを聞いて、人質にしている何人かのアイスランド人を釈放することを期待され(釈放されたのかは分かりません)、この奴隷制度は、1100年までにアイスランドは廃止されたのだそうです。
奴隷にするだとか、本当にそれがキリスト教のすることなのか?と疑ってしまいます。本当のキリスト教であれば、奴隷なんて制度は作らず、世界が平和になることをするのではないかと、いつも思います。イスラム、仏教も、みな望んでいることは一緒ではないのかと、思いますし、紛争、戦争がいちばん望んでいないことなのではないかと、人類が歩んできた歴史(過ち)をちゃんと学ばなければならないと痛感しています。