アイスランドに『めうしのブーコトラ』というタイトルの絵本がありまして、このブーコトラと言う名前は、飼っている雌牛に付けられた名前です。
そのブーコトラが、トロルに奪われてしまったので、そのブーコトラを取り返すという物語なのですですが、絵本によってトロルが悪行を働いたり、働かなかったりと別れているので、どちらなのかは分からないのですが、色々な説があるのかもしれません。めうしによって魔法が使われるファンタジーな内容が描かれており、これは日本にはない、アイスランドらしいものではないかと思ったので、ご紹介します。
魔法を使うシーンは、トロルからブーコトラを取り戻して帰る最中に、トロルに追いかけられてしまうので、振り払うために使われています。
「ブーコトラ どうすればいいんだ?」
「わたしの しっぽから 毛をいっぽんぬいて じめんに おいてごらん」
むすこが いわれたとおりにすると ブーコトラは 毛に おまじないを かけました。
「わたしの しっぽの毛よ おおきな河になれ。空をとぶ鳥しか わたれない おおきな河に!」
とたんに 毛は おおきな河になり ながれだしました。
『めうしのブーコトラ アイスランドの民話』フリングル・ヨウハンネスソン絵 すがわら くにしろ訳
それでもトロルは追いかけてくるのですが、手を変え品を変えて、めうしは、魔法をかけます。
最後は家にたどり着くのですが、トロルがどうなったのかは、絵本をみていただければと思います。
この物語を見て思うことは、人間には魔法が使えないということです。ちょっとした隙に、めうしがどこかに行ってしまい、見つからない、帰ってこないことを、トロルのせいにしていたのかもしれません。
トロルは山にいるということは共通のことのようです。