自分が所属する集団が他と比べて、優位であることを確認することで、自尊心を得ることができるという話ですが、そもそも、集団になるということ自体で、相手を意識することになり、敵意が生じてしまうことになるそうです(自尊心を高めるために…の続きとなり、泥棒洞窟実験の話になります)。
■集団間で敵意が芽生える
集団間葛藤 団体競技などを含めた、対立や抗争など集団間の緊張状態のこと。お互いの集団のメンバーの関係にかかわらず、複数の集団が成立するだけで集団間葛藤が生じることがある。
『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.56)
集団間というのは、例えば、サッカーチームなどで、試合観戦が、自分の国のチームに応援して、相手国のチームには応援しないということがこれに当てはまるそうです。自分が所属している集団では助け合いが生まれ、相手には敵意を持ちやすい傾向があるというのは、オリンピックや、ワールドカップなどでよく見かける光景ではないかと思います。この現象について、シェリフという方が、泥棒洞窟実験調べた内容をご紹介します(1961、1969)。
■11・12歳少年たちの泥棒洞窟実験
11、12歳の少年たちを2つのグループに分けて、「泥棒洞窟」と呼ばれるキャンプ場で実験が行われた結果、野球などの試合中以外にもグループのメンバーを罵倒したり、夜中に相手の団旗を燃やして翌朝にはその報復がなされたりという事態にまでなった。
『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.56)
報復は仕返しという意味になります。
こんなタイトルのゲームがあったら、どんな内容なんだろうと、私だったらちょっと目に止めてしまうと思いますが、この名前になっている理由は、なんかあるとは思いますが不明です(キャンプ場の固有名なのかもしれません)。
大人であれば、試合ではないプライベートな場面では静かにしているのかもしれませんが、11歳、12歳という年齢がこういった行動に繋がっている可能性はあるかもしれません。
こんなに緊迫した雰囲気の中、両グループが協力し合わなければ達成できない上位目標を導入をすると、両グループは友好的な関係に変化したのだそうです。
初めからグループなど作らずに、同じ課題に対して取り組めばよかったのではないかと思う方はいるかもしれません。運動会ではみんなで手を繋いでゴールをしたり、演劇ではシンデレラが何人もいるなど、集団の中にいると、個性を最大限に引き延ばせないという可能性があります。競うことによって引き出される才能があったりします。また、競い合うことによって、結果的にそれぞれの能力が高まっていくので、高まった状態で一緒になって目標を達成するのは、グループに分かれていない時よりも、能力が高い状態で、クリアできるのではないかと思われます。
■まとめてみると
それぞれの国が一丸となって、同じ課題を解決することで、友好関係を築くことができるのではないかと思っています。
SDGsの取り組みは、まさに国境関係なく、共通の課題を解決するものではないかと思います。アイデアをボーダーレスで共有し、より良い取り組みができることが、課題解決に近くのではないかと思います。
今回のコロナについては、中国の武漢から発生したとされ、実際にどこからの原因なのかというのを、アメリカが圧力をかけているとか、兵器なのではないかとか、いろいろ言われており、世界中が中国を敵に回しているような形にも見えます。コロナがひと段落した後、どうなってしまうのか、戦争になってしまうのではないかと、心配です。