暴力的な映像を見た人は暴力的になるのか問題

犯罪心理学の本では、このテーマについて、暴力的な映像をみることで、浄化(カタルシス)される効果もあると書かれていましたが、本当に悪影響なことなのかというのは明確に判明していないと認識しています。

社会心理学では、このテーマについて、プラスになる要素は一切書いてありませんでしたのでご紹介します。

■短期的では攻撃的な行動を促すことが分かっているらしい

バンデューラの観察学習実験によって暴力的な映像は子どもの攻撃的な行動を促すことがわかっている。これは短期的影響を実証したといえる。それでは暴力的な映像は長期的な影響ももたらすのだろうか?

レフコビッツらは、暴力番組の嗜好と攻撃性について、同じ少年たちを8歳時と18歳時の2回に分けて調査した(1977)。それによると、8歳時に暴力番組を好んで見た子どもは10年後の18歳時には攻撃性が高くなっていたとされる。

『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.172)

こんな風に書かれていたら、「あらっ大変だわ!攻撃的な映像は悪影響になるから絶対に見せてはいけない!」と思ってしまいます。ですが、この研究には課題があるようで、この研究結果に対し、「暴力的映像の長期的影響は一定の資質を持ったものにしか起こらない」という仮説もあげられており、全ての子どもに対して、当てはまることではないということを言っていると思われます。この肝心な資質の部分についての研究は途上とされています。

保育園で働いていたりすると、1歳児や、2歳児が、気持ちが高まると、噛み付いたり、爪で引っかいたりとの行為が、いつもは穏やかな子であっても見られます。誰かが教えてワケでもないのに、行われるので不思議だなと思っていました。おそらく、これは、自己を守るための防衛本能なのではないか?と思うこともあります。ですが、全ての子どもが他人に対して暴力的な行為をしているワケではないのも確かなのです。

■本能だけではなく、映像からの影響は少なからず受けている

それではそもそも、人はなぜ攻撃するのだろうか?フロイトは、攻撃は食欲なそと同様に人間に備わる本能とみなおした(1933)。しかし、時代を経た現在は本能だけでなく、外からの刺激も動因になるとされている。そうした刺激の1つが暴力映像だ。

暴力的映像の短期的な影響を説明する理論に衝撃的攻撃理論がある。衝撃的攻撃とは、怒りや恐怖といった不快感情を発散して他者を傷つけるために行われる攻撃を指す。暴力的映像を見た人の心の中には、攻撃のイメージや感情が一定時間残っている。このため、この間に入ってきた新しい情報は攻撃的な解釈がされやすい、とする理論である。

一方、長期的な影響については、戦略的攻撃理論で説明可能だ。戦略的攻撃は、相手を傷つけることが目的ではなく、攻撃によって問題解決や目標達成を図ろうとするというもの。

正義の味方が怪獣と戦うなど、暴力的な映像では、何らかの問題を解決するために攻撃している場合が多い。そうした映像を見ることにより、問題を攻撃によって解決しようという思考(攻撃スキーマ)が形成され、その技術も映像から教えられるのである。

『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.172)

実際に、犯罪行為をしてしまった方の話の中が載っていた本では、暴力的な映像ではなかったのですが、包丁で殺害というニュースを聞いて「その手があったか」という発想になったことから、計画的に犯行に臨んだという内容を見たことがあります。

正義の味方という概念が、まず難しい話だと思いますが、最近流行の『鬼滅の刃』は見たことはありませんが、テレビの特集でストーリーを聞いた情報だと、鬼は、元々は人間だった。鬼になってしまったのは、人を恨んだりすることでなる。そして、その鬼側のストーリーが細かく描かれているから良い!という内容でしたので、正義とは何か?を考えさせられるのではないかと思っています。鬼(犯罪者)は被害者であることが多いということが、この作品がヒットしていることことで、幅広い年齢層に分かってもらえるということになるので、大変嬉しい限りです。犯罪が減るのではないかと思っています。ちなみに、主人公は、この鬼を倒していくのでしょうか。ちょっと分かっていませんが、鬼になってしまった妹と一緒に、解決策を見つけたら良いのになと思ってなりません。見たことないので、分からず、ファンの方すみません。

■まとめてみると

少なからず、短期的には、暴力映像が印象に残っており、人によっては、次の行動が攻撃的になる影響が反映されるのは確かなのかもしれない。研究結果が楽しみです。

作成者: Tangoo

どうして人は罪を犯してしまうのか、その原因を知るために、本を読んだり、旅に出て、見たり聞いたり、人に合ったりしています。そこで、学んだこと、知ったことをブログにしています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です