ジブリアニメにある『火垂るの墓』で、主人公2人が、実家ではない家でお世話になる時に、食事シーンで、ご飯を少なく盛られてしまうという部分がありました。それが、かなり印象に残っています。このように、自分の家族と、そうではない他のグループと比べて「ひいき」が発生している状態は、決して特別なことではないことをご紹介します。
■自分のグループが優位性があると確認するために「ひいき」が生まれる
自分のグループの方が優位性があるということを、他のグループに証明するために、内集団びいきが発生しているのだと思われる内容が次の通りです。
社会的アイデンティティ理論 複数の集団が存在する時、人は自分が所属する「内集団」とそれ以外の「外集団」と比べて、内集団の優位性を確認することで自尊心を高めようとするという理論。
『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.58)
自分のグループの方が優位性があるということを「確認」することで、結果的に自尊心が高められるという効果があるということは、外集団としては、グループに入れて欲しいと思うか、恨みのような感情が生まれるのではないか、エスカレートすると、戦争にまでなってしまうのではないかと思いました。
また、面白いことに、内集団がより多い報酬を獲得するということよりも、内集団の利益を削ってでも、外集団よりも報酬を多くしようとする選択が行われるのだそうです。この判断をするのは男性でしょうか、女性でしょうか、性別関係なく同じ決断をされるのか、興味があります。
■自分のグループがとにかく優位に立ちたいと願うのが人間の本能
とにかく、自分のグループが優位に立ちたいという思いが強いことが、ここでは分かります。自分が属する集団(内集団)を他の集団(外集団)よりも有利にしようとすることを内集団ひいきというが、泥棒洞窟実験では、複数の集団が競い合う時に内集団ひいきが起こることが明らかになっている。
この泥棒洞窟実験については、また次回にしたいと思います。