『「光の家具」照明』では、著者による照明についての価値観がつづかれています。その中で、個人的に参考になった意見があったので、ご紹介します。
“照明はなぜか、忘れられがちな家具になってしまう。なぜそうなるのだろう。
その理由はインテリアが完成した時に、明かりはこうなると想像しにくいからではないだろうか。照明は灯って光を発するのを実際に目で見て確認できなければわからないものだからだろう。ほとんどが手に届かないような高い場所にあるからかもしれない。日本人の常識に照らし合わせると、照明は天井にあるものと決まっているからである。だから照明計画が難しく、だから最後になるのはしょうがないことかもしれないとも思う。p.95”
そもそも、一人暮らしをしたり、実家から出ないと、家具について考える機会はないのではないかと思います。
また、一人暮らしをした際には、照明が自動的に付いてくることもあり、「ラッキー」と思って、そのまま、その照明を使い続けるというのが、主流ではないか?というのも考えられます。
おしゃれに気をつけている方であったり、部屋の内装、インテリア、デザインに興味、関心がなければ、気付くこともなく、一生を終える可能性も高いのではないかと思います。
気が付いたから幸せになるかと言ったら、それは、直接的に結びつくことはないかもしれませんが、考えてみて、「やっぱり私には必要がない」ということであれば、それでいいとも思っています。
照明は、インテリアのひとつであると著者は言っています。おそらくは、可愛らしい、おしゃれな照明が、外国にはあり、それが身近な存在であるから、当たり前のように、照明をいくつも使用するという習慣、文化になっているのではないかとも思います。
IKEAのコーディネートを見ると、シーリングライトを使用していることは少ないかもしれません。家具がIKEAのモノになれば、自然とそれに馴染むライトが欲しいという具合になってくると思います。そうすると、デザイン性のあるライトを手に取り、コーディネートをもとにして「使ってみようかしら」となるような気がします。
きっかけがなければ、今の生活で良くも悪くもなければ変わらないとも思います。
狭い部屋や、和室、和洋瀬中な空間にも合う照明として、丁寧に紹介していかなければ、この著者が望むような日本はやってこないというのが、個人的な感想です。
空間(インテリアの配置)を考える際に、どこから考えれば失敗しないのかを紹介できれば、誰でも手軽に、内装を楽しむことができるのではとも、ヒントとして、考えておきたいと思いました。
<参考文献>
『「光の家具」照明』
「IKEA」ウェブサイト
<関連記事>