平成31年2月18日(月)の日経新聞に「体積を学ぶ 「行動と心理」指導に生かす」という記事が載っていました。
この記事の内容は、体積についての話から、ナッジと呼ばれる行動経済学の話になります。
私自身は、心理学や、犯罪に関連している学問ばかりを見てきたので、この行動経済学という学問自体が、初めてでしたが、とっても親近感があったので、ご紹介します。
ウェブでは(引用先「ナッジ(株式会社日立総合計画研究所)」)、以下の通りに説明がされています。
ナッジ(nudge)とは、直訳すると「ひじで軽く突く」という意味です。行動経済学や行動科学分野において、人々が強制によってではなく自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を示す用語として用いられています。これは、その物や現象の良しあしに対する客観的な絶対評価よりも、物事をどう感じるかという主観的な比較評価により人間の選択が左右される心理傾向を利用したものです。
当該の日経新聞では、簡単にこんな感じです。
個人の選択を尊重したうえで、心理に働きかけて行動を変えることを指す。
直訳が、ひじを使って突くのですから、背中を押すよりも、軽い感じで、ノリのある雰囲気がするので、個人的には、このナッジの言葉のチョイスはセンスを感じます。
この仕掛けをすることによって、経済を回すというのが、行動経済学の中のナッジなのではないかと、勝手に思っていますが、今回の話は、このナッジは、教育業界でも必要ではないか?というお話です。
個人的には同感です。
ですが、あまりにも、大人が仕向けるような仕掛けをして、その通りに誘導をするのは反対ですが、教育の現場では、環境設定が、大事になるので、その環境の中で、ある仕掛けをすることで、その人の興味がそそられ、主体的に行動をするということには、賛成です。
この仕掛けをしているうちに、仕掛けた本人が、テンションが上がってきてしまって、いつの間にか、一番楽しんでいるのが、仕掛けた大人になっていた(相手が子どもという前提になっていますが、これはどの教育現場でも同じことであると思います)なんてことは、よくある話です。これは、悲しい事実ですが、自分自身で、自分を第三者の目から、俯瞰的にみる努力をしなければなりません。ベテランの教育者であれば、誰も助言をしてくれないからです。
教育は、どうしても、相手のためになるので、そこを忘れてはいけないと、思い知らされます。
何をさせたいのか、その先の発展というところまで考えなければなりませんが、今夢中になれるものがあるという環境を整えるだけでも、学びに繋がるのではないかと思います。
この記事では、教育業界の常識としては、褒めることで報酬を与え、しかることで懲罰を与えることによって、教師が正しい行動を選ばせるという場面が多いというこのが記されていました。
これが常識であるということが、個人的には驚きでした。
しかも、このナッジというものを利用した教育がないということも、驚きです。結果的に、これってナッジじゃないか?というのも、ないのであれば、教育方針が、上記の2つだけであれば、個性も何もない世界になるのは当たり前ではないかと、容易に想像することができる。
最後に、このナッジを、新しい指導法として気づくきっかけとなり、また教育の現場において、ストレスの少ない学校がつくれるのではという提案がされていました。
恐ろしいと思うことは、教授方法に正解があり、その正解の通りに教師が行わなければならないということではないだろうか。正解という言い方にしてしまうと、このナッジを取り入れた方法は不正解のように聞こえてしまうが、おそらく、教師にとっては、不正解であると感じてしまうのかもしれないと思ってしまう。
教育者である者は、今まで教えられてきた教授法から抜け出せないように、洗脳でもされてしまっているのだろうか。どうしたら、この洗脳から解かれるのだろうか。
同じ教え方で、教わり、その方法で、また教えて、いつまでもその状態から抜け出すことができないという負の連鎖になっているような気がします。
原因のひとつは、受け身であることではないかと個人的には感じている。
教育者なのだから、教える人の個性を大切にするのであれば、自身の個性も、教授するときに、活かせないかということを考えるのはどうだろうか。答えが出ずに、結局戻ってしまっても、考える、悩むということに、まずは意味があると個人的には思う。
何も考えずに楽をしようなんて教育者がいれば、個人的には、教育者として失格であると思っています。
答えを探し続けることで、何かが繋がるときがくると思うので、悩み続けて欲しい。そして、教育を受ける人が1人でも幸せになって欲しいと切に思います。
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