社長は長生きをして、部下が「うつ状態」になってしまうということがあるらしい。
こんなことは、一体どうしておきてしまうのか?
ここには、職業階層の高さと仕事に対する自己決定権の度合いが、直接的に相関していたことにあることで、このようなことが発生してしまうのだそうだ。
収入が高いというよりも、自分自身や、部下の仕事の采配を握っていたということが、大きな要因と考えられる。経営者としては、会社の未来、利益の責任を負うということは、ストレスとしてはあるのだが、それよりも、部下からの付箋メモを何枚もめくるという作業の方が、ストレスを感じるのが高かったのだそうだ。
自分でコントロールすることができる、決定することができる仕事の度合いが小さいと、それと比例して血圧が高くなってしまうという状態がわかっている(要するにストレスです)。
仕事に対して、裁量権がほどんどないという人たちは、背中のコリや腰痛を訴えることも多いということも分かっている。
病欠が多かったり、精神疾患率なんかも高くなるという傾向も分かっている。
こうなってしまうと、プライベートまで、質が著しく低下してしまうことも分かっているので、会社と、プライベートは、割り切って、別で考えているという人でも、影響し合っているということが容易に考えられる。
日本社会であれば、自分の意見を言えないような環境がいまだに残っているが、それだと、要するに幸せになれないということになる。だって、意見さえ言えないのだから。
会社選びは、自分の人生を豊かにするということが、分かっていることだったが、はっきりと分かる。やりたいと思う仕事がなければ、自分で作ってしまえば、それが、一番幸せな選択なのかもしれない。
本業をやりながら、別のことで充実を得る(副業などをする)ということも、自分の身を守る術としては必要なことなのかもしれないと、個人的には思う。
選択の科学 コロンビア大学ビジネススク-ル特別講義 /文藝春秋/シ-ナ・アイエンガ-