写真:新宿Francfranc
よい自己概念と呼ばれているものは、自尊感情のことであり(レックリス:1956)、自己統制力は、セルフ・コントロールとも呼ばれている。
短期的な欲求充足を我慢することができるのも、長期的な目標に向かって、努力できる自制心も意味している。
個人が社会との関係の中で、形成するものであって、社会的統制理論(ハーシ:1969)にて、4つ提案されている。
1つ目は、「愛着(アタッチメント)」、親や家族、または身近な人や、集団に対して愛着、帰属意識があること。
2つ目は、「忙殺(インボルブメント)」、遵法(じゅんぽう)的な活動、日常の日課に打ち込むことで、忙殺されること。
3つ目は、「投資(コミットメント)」、学業、部活動などに打ち込み、努力を重ね、成果を徐々に積み上げ、周りの評価を獲得し、将来の希望がもてる状況であること。
4つ目は、「信念(ビリーフ)」、遵法的な集団に同一化し、社会の規範や法律の正当性に信頼を持っていること。
この4つの要素が形成されていることによって、非行に至らないというワケになるという。
この4つのどれかが欠けていると、非行に対する抑止力までも、欠くこととなってしまう。
この4つが形成されていることによって、先に述べた、自尊感情である、自己概念と、セルフ・コントロールができる自己統制力が身につくのではないかと思っている。
この2つも、欠如してしまうと、犯罪、非行の根本原因であるとされている(ゴットフレッドソン、ハーシ:1990)。
じゃーこうならないためには、どうしたらいいのか?
いずれも、親の養育態度・しつけによって、その成否が、大きく左右されると、考えられているようだ。
そして、この親のしつけが適切でないと、子どもが身に付けたい自己統制力、遵法的な規範意識(信念)が、十分に発達せず、子どもの親に対する愛着が十分に形成されないと想定することができる。
自己統制力の十分ではない子どもは、遵法的な活動に取り組んだとしても、十分な成績を収められない状態となり、忙殺や、投資の形成ができずに、自己概念をしっかりと持つことができなくなってしまうのだそうだ。
具体的な、非行対策としては、親子の愛着形成、家庭の養育機能を促進するための家庭支援が最も重要としている。
また、家庭の養育機能を補完するものとして、地域の青少年育成活動も重要とされています。
この愛着形成とは、一体どういうものなのか?
個人的には、子どもの側にいて、尊重し、見守り、味方でいること、そして、どうしたら、目の前の子どもにとって、最善なのかを考え、たくさん悩み、あなたらしい答え、直感、その子に合った接し方をするということではないかと、思っています。
ですが、1人で考えることは、危険です。
最終的に決めることは、あなた自身ですが、考えても分からないこと、辛いことは、たくさん人に相談をすることをオススメします。
註:『少年非行の行動科学―学際的アプローチと実践への応用』林 寿一 北大路書房 2008-05
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