写真:表参道
アンパンマンは、誰もが通る道であると、世間では言われているほど、子どもアニメの代表となっている。
丸いフォルムに、「アンマンパン」という響きのネーミングなど、全てに対して、子どもが好きになってしまう要素が含まれていると、戦略的な部分もあるとされている。
保育園で働いている方なら、見たことがないだろうか。
子どもたち同士で、何かにつけて「アンパーンチ!」をしてしまう。
楽しい時にも、嫌な時にも、アンパーンチをすれば、すべて丸く収まる。そんな感じに使われている現状が、少なからず発生していること。
バイキンマンは、いつもアンパーンチを受けて、どこか遠くに飛ばされる。平和が訪れる。
アンパンマンは善で、バイキンマンは悪として写されており、その世界を、知らない間に、子どもながらに植え付けられてしまっている。
しかも、何度も、何度も、繰り返し両親ま見せている。そして、子どもも、見てしまう。
もちろん、パパも、ママも、一休みしたい。子どもに静かにして欲しいという時には、どうしても、楽に済ますことができる、アンパンマンの動画、DVDを見せてしまう。
個人的には、アンパンマンを見ることによって、非行を誘発させてしまうのではないかと考えたことがある。
著書『少年非行の行動科学―学際的アプローチと実践への応用』では、テレビで、暴力的な場面を多く視聴している子どもほど、暴力的な非行を将来行いやすいのではないかと、考えられている。
また、暴力的なビデオゲームからも、利用者の主体的な関与をより多く含むものとなるにつれて、その影響力が増えているということも推測されているのだそうです(米国保健福祉省調査報告書)。
これらは、危険因子のポイントとして、リストアップされている内容となる。
この内容は、6〜11歳という少年が対象となっているのだが、多動性、問題行動、医学的・身体的問題と並ぶポイントとなって紹介されている(12〜14歳にはリストアップされていない)。
それを考えると、倫理や、道徳が育っていないうちに、むやみテレビ、動画を見せることは、果たして、子どものためになるのだろうか、という気持ちにさせられてしまう。
アンパンマンにフォーカスを当てると、パトロールをしていて、困っている人(カバとか、うさぎとか)を助け、お腹が空いていたら、顔を分け与えるという慈愛活動をしている。そんな時に、人に対して、困ってしまう行為を、バイキンマンがしてしまうと、正当防衛として、アンパーンチをして、事を終わらせる。
話し合いで、済ますことは今まであったのか?詳しく見ていないので、何とも分からないのが、申し訳ない。
もしかしたら、話をしているのに、聞いてくれないのかもしれない。でも、このままだと、みんなが困ってしまう。そこで、暴力で解決をするというパターンとなる。
このアンパンマンの次には、ワンピースや、ドラゴンボールなど、暴力がベースになっているアニメが続く。
この暴力シーンは、作者の表現であって、一方的に悪いと言っているワケではないことを、理解していただきたい。
この暴力的な表現を見るのに、適齢期があるということを、お伝えしたい。
人間として、育って、ある程度の区別ができるようになったら、見ていいのではないかと思っている。
暴力的なシーンを見ることで、気持ちがスカッと、浄化されるという効果もあるのだから、全てが、非行へ影響するワケではない。
この適齢期だが、グロテスクなシーンが含まれていると18歳以下、15歳以下は閲覧禁止として規制をかけている。しかし、それは、目安なだけであり、本当の判断は、家族がするべきであると、個人的には考えている。
全てに関して、規制することは、親子関係を壊してしまうきっかけにも、なってしまうので、そのバランスが、難しいのだが、子どもを信じて、親としての気持ちだけは、常に伝えているだけでも、子どもの脳には、その言葉が、気持ちと共に入ってくれる。
ここで本題だが、アンパンマンはの適齢期は一体、いつごろだと思いますか?
註:『少年非行の行動科学―学際的アプローチと実践への応用』小林 寿一 北大路書房 2008-05