お子さまの発達状況は、親御さまであれば一度は心配されたことがあるのではないかと思います。でも心配したところで、不安になるだけなので、目立ったことがなければ、大丈夫と思っている家庭もあるのではと想像しています。
発達段階については、覚悟はしておかなければならないことだとは思います。その時を迎える前の方、心配な方、迎えた方も次のようなことを頭に入れておいていただければ、不安な気持ち、そして、お子さまのためにもなると思いますので、ご参考までに紹介します。
子どもの発達に、多少の「でこぼこ」があるのは当たり前のことです。定型発達といわれる子どもたちでも、ある程度の個人差はあるのが普通です。ある面では年齢相応、あるいは年齢以上の発達を遂げているのに、ある面の発達は今ひとつ、ということはめずらしくありません。しかし、この差がいちじるしく大きい場合は、発達障害である可能性があります。
(中略)しかし、子どもの「でこぼこ」を考慮せず、すべての子に定型発達のモデルを期待すると、現実の子ども像との間にギャップが生じます。それが子どもを非難するなどの不適切な対応となり、子どもは自分では解決できない問題をかかえたまま、追い詰められていくのです。
『行為障害と非行のことがわかる本』小栗正幸(著)p.37
学校での様子と、家庭での様子、そのほかでの様子などは、連携をしていかなければならないことになるので、一緒に子ども育てていく意識が必要になってくると思います。些細なことであっても、共有し合えることで、未然に防ぐことができることもあると思います。
家庭のことは伏せておきたい気持ちであったりもあるかもしれませんが、すべてはお子さまのためであり、それは結果的に親御さま自身、家庭、関わっている方々、これから関わる社会のために繋がってくると思っています。
まわりの大人が、その子に合わせたケアをすることによって、子どもが自分では解決ができないことが、大人になって、大人や社会などの環境のせいにすることになっているのではとも考えられます。早い時点で一緒に悩んだり、手を差し伸べることができる社会にすることが、子どもの明るい未来に繋がっていると思います。