悩みを非行行動でまぎらわせている

非行をしてしまう少年は、それぞれの事情はありますが、共通している境遇であったり、思考があるようなので、ご紹介します。

少年たちのなかには、再犯をくり返し、罪の意識がほとんど深まらないようにみえる者がいる。彼らにはもちろん、理屈のうえでは悪ことをしたという自覚はある。ではなぜ罪意識が深まらないのだろうか。この背景には(中略)彼らには「加害者でありながら被害者意識が強い」という複雑な心理が存在しているからである。

このような犯罪をくり返す少年・少女たちは、罪を犯した加害者でありながら、気持ちのうえでは、あたかも自分が被害者のような立場に立っていることがわかる。彼らには、理屈のうえでは悪いことをしたという自覚がいちおうはある。しかし、心の中では「自分は不幸である」「不運である」「不当な扱いをされている」といった被害者意識が根強く、生活や行動はむしろこのような被害者意識に左右されているために、罪悪感が深まらないのだと考えられるのである。

(中略)非行少年の心理の理解とカウンセリングのポイントは、まさにこの「自らの被害者意識ゆえに罪悪感が深まらない」という点にあることが理解される。

(中略)いわゆる神経症者も非行少年も、内面に苦悩を抱えている点では同じである。ところが両者では、その苦悩の表れ方が異なっているのである。神経症者は自らが苦しんでいくタイプ、つまり、自分を苦しめていくタイプだと言える。ところが、非行少年は周囲や他者を苦しめていくタイプである。力の向く方向が逆である。非行少年たちは、苦悩の表れ方が外へと向かう。悩みを抱えるよりも、悩みを行動でまぎらわせようとするといってもよい。「悩みを抱えられない少年たち」[生島1999]ともいえる。非行がしばしば行動化の病理といわれるのは、そのことと関係している。しかし、非行少年も内面に苦悩を抱えていることを忘れてはならない。その苦悩を共感し理解していくことが、非行少年への支援の基本なのである。

さて、彼らの心のなかが被害者意識に満ちていること、これは彼らの心が傷つき体験をくり返してきたからだといえる。

実際、少年院在院者(男女)の半分以上の者は、何らかの虐待をくり返し受けた経験があると報告されている[橋本2004:11-15]

新版 Q&A 少年非行を知るための基礎知識――親・教師・公認心理師のためのガイドブック』(著者)村尾 泰弘 p.167

悩みを抱えられないというよりは、悩みに対して、解決策が分からなかったり、この苦しい気持ちを抑えられなかったり、向き合うことができなかったり、発達段階の部分で耐えられない状況なのではないかと思いました。

大人になったら、一旦置いておこうとなるかもしれませんが、それもできないのかもしれません。大人でも、生活に支障が出てしまうほどの悩みはありますので、その対処の仕方を間違えれば、大人でも犯罪行為になってしまうと思います。

自分の都合で、周りに迷惑にさせていいかどうかの判断がとっさにできないことも考えられます。

虐待の問題であれば、大好きな人、信頼している人から暴力を受けることになるので、悩みが複雑になることは想像できます。相談できる人がいるだけで、救われると思うので、本人が相談しやすい環境、または、周りの人が通報をするということは、一人の人生を救うことになると考えられます。

作成者: Tangoo

どうして人は罪を犯してしまうのか、その原因を知るために、本を読んだり、旅に出て、見たり聞いたり、人に合ったりしています。そこで、学んだこと、知ったことをブログにしています。

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