「ダメな子」「仕事デキない人」「使えない人」と言われると本当にそうなる

家庭内で「長男は勉強デキるけど、次男はデキない」とか、職場環境で「仕事がデキる、デキない」さらには、「使える、使えない」というような言葉が平然と聞こえている社会の中で、デキると言われた人には、本当にデキるようになり、デキないと言われた方は、本当にデキなくなってしまうという、たいへんの事実が発覚しています。

■教師が「デキる」と言ってくれるだけで「デキる」ようになる

教師が生徒に対してある期待を持つと、実際にそれが実現されていく過程(教師期待効果)と重ねられている。

ローゼンタールらによる実験(1968)では、実際の知能テストの結果とは無関係にランダムに生徒を選び、選んだ生徒たちについて、「知能が高く、これから成績が伸びる生徒である」と教師に告げた。半年後に再び知能テストを行ったところ、その生徒たちの成績は実際に伸びていたのである。教室で撮影した授業風景を慎重に分析すると、教師はその生徒たちに対しては微笑みかけや目を合わせる機会を多く設けており、授業中の彼らの発言にも好意的な態度をとっていた。

その結果、期待された生徒たちは、学園生活そのものを楽しもうとするなど、成績以外にもピグマリオン効果の及ぼす影響を見せたのである。

『カラー版徹底図解 社会心理学』(p.162)

「ピグマリオン効果」とは、期待を抱かれた人が、その期待に対して、その通りに物事を成就させていくという意味になります。

期待を強要しすぎてしまうと、その期待がプレッシャーとなり、デキるものもデキなくなってしまう可能性があり、個人差はもちろんあると思います。ですが、全く期待されないよりも、デキると言われることで、関心が自分に向けられているという、自分の存在を肯定できるようになるのではないかと思います。期待通りにいかなかった場合、失敗の経験として、人生の糧となります。その失敗を経験するのは、年齢が早ければ早い方が理想ではないかと考えられます。

期待や予言を信じた人々の行動によって、それが現実になることを「予言の自己実現」というそうです。これは、嘘をつき続けているうちに、それが現実となってしまうというヒトラーの話がこれに値すると思います。ヒトラー以外の実例は次の通りです。

「○○銀行が危ない」と噂が立ったことで、実際は健全経営だった銀行が破綻してしまうこともあるのだ。

『カラー版徹底図解 社会心理学』(p.162)

怖いことに、この予言が人々にとって、悪い影響であったとしても、周囲の期待に沿って実現させようとしてしまうのだそうです。人間は、誰かに期待されるとそこに、確かに自分が存在していることになるので、自分のために実行したい生き物なのかもしれません。

■人は目上から認めてもらいたくて、社会にとって不利益であっても、期待に応えようとする

コープラントによれば、予言の自己実現の起こりやすさは、予言する者と実現させる者の立場によっても異なるという(1994)。地位が上の者が地位の低い者に寄せた期待は、自己実現を引き出しやすい。しかし、低地位者が高地位者に寄せる期待は、実現したいことが多いのである。

『カラー版徹底図解 社会心理学』(p.162)

親から子へ、教師から生徒へ、上司から部下へ、親分から子分へと、期待がかけられるのは、どの世界にもあると思います。

ある国では、女子として生まれただけで、差別行為を受け、社会全体で、女子だからと使えないという扱いをされると聞いたことがあります。女子であることで期待されることなく、弱者の扱いを受けてしまっているということは、その国の女子たちは、私は女子だから、何もできないと刷り込まれることになります。社会の常識として刷り込まれているため、女子が集まって、抗議デモを起こすという発想もなく、反抗することもできずに、生きていることになってしまうのではないかと思います。

■まとめてみると

ある程度、期待されるということは、本人が成長できるきっかけになり、勇気を与えてくれる行為ではないかと思います。期待されると、怖いけど、一旦やってみようと背中を押される効果もあるのではないかと考えられる。

過度に期待し、デキないことを無理に強要することは、逆効果になると考えられるので、個人差を考慮した上で、期待の幅を調整する必要があると思います。

作成者: Tangoo

どうして人は罪を犯してしまうのか、その原因を知るために、本を読んだり、旅に出て、見たり聞いたり、人に合ったりしています。そこで、学んだこと、知ったことをブログにしています。

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