自分の利益だけを求めると、むしろ個人の利益が減少する

コロナの影響で、トイレットペーパーやマスクを買い占めてしまうという現象が起こりました。トイレットペーパーは落ち着き、出回る、買い占めがなくなりましたので、本当にトイレットペーパーが必要な方が買うことができる状況まで回復できたのではないかと思います。

この買い占めの行動のことを「社会的ジレンマ」に、当てはまるのではないかと思います。

資源不足が噂された際に、自分だけは確保しようと思って行動することで、みんなが必要以上に確保してしまうことで、品不足が発生してしまい、そのことで、値段も上がってしまいます。

このような社会的ジレンマにならないようにと、ルール違反者に対して、罰の制度をすると、それを管理する人、罰を判定する人など、コストが増大してしまうことと、罰を設けたとしても、減らずにエスカレートしていくという問題も起きてしまい、二次的ジレンマが発生してしまうという、負の社会が生まれることになります。

■自分の利益だけを求めると、むしろ個人の利益が減少する

みんなが自分の利益だけ最大になるよう行動すると、集団の利益が損なわれ、全員で協力した場合よりも個人の利益が減少する。これを社会的ジレンマという。

『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.166)

神が存在しているのならば、自分のことだけの利益を考えてしまうと、バチが当たると言われそうな行動です。舌切り雀の話で、大きな箱と小さな箱のどちらを選ぶのかで、小さな箱を選んだ方がいいというような、操作的に思える絵本がありますが(作者は自分の利益だけ求めて失敗してしまったことを教訓を描いているのかもしれません)、まさにこの社会的ジレンマではないかと思います。

ですが、神であったり、舌切り雀だったりのファンタジー的な話ではなく、実際の話なので、次に例を載せます。

ハーディン(1968)は、1人ひとりの羊飼いが1匹でも多く羊を放牧しようとすると牧草地の荒廃(こうはい)が進み、結局は全員が放牧できなくなることを論じた「共有地の悲劇」によって、社会的ジレンマを説明した。共有地を長く使えるようにするには、羊飼い1人ひとりがみんなと協力して、自分の目先の利益は追わないといった選択をしていく必要があるのだ。

『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.166)

■たいへんなときこそ、利他的利己主義が必要

利他的利己主義 そうすれば自分のためになるという動機に基づいて、他者の利益になるようにふるまい、協力関係を引き出そうとする姿勢のこと。社会的ジレンマの解決法の1つとなる考え方。

『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.166)

重要なことは、他者の利益にもなることを行うことであると思います。我先に、自分だけよければいい、自分が助かればいい、自分がいちばん利益を得たいという姿勢であることが、混乱を招くことない社会を目指せるのではないかと思います。メディアでは、買い占めが起こってしまうのではないかというタイミングで、この姿勢を話すことはなかったので、なんのためのメディアなのかと思ってしまいます。

ネイチャー系の情報番組で、動物は生きるために必要な分だけしか食糧を獲らないと聞いたことがあります。確かに、自然界に太っている動物は見かけないのはそのせいだと思います。人間だけが、必要以上のものを摂取しているという事態になっています。

人間同士でも、自分がいちばん利益を得たいという醜い争いになっていますが、全動物界で考えても、人間がいちばん利益を得るような環境になっているという事態になっているので、その問題は、今からでも取組をしていかなければならないという運動がされています。

■協力行動をとった人が保証される社会づくり

コストをかけずに集団の利益を生むためには、「社会全体の利益になるような行動こそが自分のためになる」と確信できる、いわば利他的利己主義を各人が確立させていることが解決の道となる。そのためには、協力行動をとっても自分だけが馬鹿を見ることはないと保証される社会をつくることが大切だと思われる。

そもそも人間は、罰則や報酬がなくても社会的に協力しあえる一面を持ち、信頼に足る相手かそうかも直感的に見抜く力を持つといわれる。進化心理学においては、人は進化の過程でこうした心のしくみを獲得してきたと考えられている。それを応用すれば社会的ジレンマの解決にもまた、希望が見出せる。

『カラー版徹底図鑑 社会心理学』新星出版社(p.166)

著者の考えでは、自分だけ利益を得ようとする人を罰するのではなく、協力行動をとった人に対して、保証される社会づくりが必要ではないかと述べています。

確かに、罰則ばかりになるのは、エスカレートするばかりになってしまい、根本的な解決にならないとは思います。協力し合うことで利益が個人で得るよりも大きいということが理解できれば、いいのではないかとは思いました。人間の本能的に、社会的に協力しあえる要素が備わっているというのは、救われた気がします。おそらく、人類が生き残るためにDNAに組み込まれているのではないかと思いました。

■まとめてみると

個人だけの利益を得るよりも、みんなの利益になることをすることで、結果的に個人の利益が多くなる結果につながる。

作成者: Tangoo

どうして人は罪を犯してしまうのか、その原因を知るために、本を読んだり、旅に出て、見たり聞いたり、人に合ったりしています。そこで、学んだこと、知ったことをブログにしています。

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