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「働きアリ」の中には働かないアリも存在する

アリとキリギリスの話の終わりは思い出せませんが、アリは働き者で、キリギリスは遊んでいるというような話の導入は誰もが知っていると思います。

アリの構成は、女王アリと、働きアリで出来上がっていると思っていましたが、もっと詳細は、そうではありませんでした。

 

「働かない働きアリ」は誰も働けなくなる危険きわまりない瞬間のリスクを回避するために用意されているのかも知れません。

そんな仕事があるのでしょうか。

あると考えられます。

 

アリやシロアリは卵を一カ所に集めて、常にたくさんの働きアリがそれを舐めています。シロアリでの実験では、卵塊から働きアリを引き離してしまうと、ほんのわずかな時間放置しただけで卵にカビが生えて全滅してしまうことがわかっています。さらに、シロアリの働きアリの唾液には抗生物質が含まれており、働きアリたちは唾液を卵に塗り続けてカビを防いでいたのでした。

アリも同様でしょう。卵が絶滅すればコロニーにとって大きなダメージになりますから、卵を舐めるという仕事はコロニーにとって、誰かが必ずこなし続けてなければならない仕事なのです。普段働かないアリは仕事の刺激が大きくなれば働きますから、他の個体が疲労して休まなければならない時に代わりに働くことができます。

(中略)

短期的生産量が少ないという反応閾値(仕事が出している刺激値というものがあり、これがある一定の大きさになると反応して仕事を始める)の変異システムは、長期的存続性を保証するために進化したのだと考えることができそうです。

要するに、働きアリの中には、働くのを待機しているアリがいるということになります。また、ネイチャー番組を見ている中でずっと疑問であった、卵の周りにアリがいて、卵を触っていると場面を見たことがあり、何やってるのかな?と思っていましたが、防カビの対応をしていたのだと、やっと分かりました。

卵自体に防カビの機能が搭載される進化ができれば、少しは楽になれる気がします。

卵を守るという共通の目的がコロニーにはあって、考えることなく、働いているアリと、待機しているアリが発生しているのだと思うと、DNAの仕組みは、本当にプログラミングされているようなシステムで、自然な流れで世界が回っていると思うと、考え深いものがあります。

 

<参考文献>

面白くて眠れなくなる進化論』(p.205)(著者:長谷川英祐)

 

<関連記事>

生きる残るためのリスク回避も進化している

生きることは、進化し続けるということ

パートナーをあきらめることは人生の損失である

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