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自らの課題を自らみつける機会をつくる(ナラティブの授業)

『犯罪心理学研究 第56巻 特別号(2018)』p.2 広島矯正管区:里見聡、広島少年鑑別所:田中仁太、与那覇聡、村野瑞穂、濱田瑠璃、古澤友里乃、石木道世、神門一途氏らの「非行からの立ち直りイメージに関する一考察」をご紹介します。

 

この研究の目的は、

犯罪・非行からの立ち直りには、社会的絆や自己統制力、アイデンティティの変化等、多様な促進要因が想定されている。これらの要因は様々は実証的手法によって検証されてきており、その多くは一定の追跡期間を設け、再犯・再非行のあった群となかった群を比較することで、再犯・再非行を抑止する要因を特定するものである。

これらの先行研究は、群間比較によって立ち直りを促進する要因の傾向を特定しようとする法則定立的なものであり、個々の非行少年が立ち直りのために何を必要としているのかという、いわゆる「現場における立ち直りニーズ」については把握することができない。また、個々の犯罪者ナラティブを用いた研究方法にしても、対象者に犯罪から離脱した過去を語ってもらうことで保護因子を導き出しており、将来に向けての立ち直りに向けてのニーズを把握することはできない。

本研究では、PAC分析を用い、個々の非行少年が、自らが立ち直るために何を必要としているのかを明らかにすることで、立ち直り支援のニーズを把握する方法を検討することを目的とした。

 

この実験の方法は

A少年鑑別所在所中の男子少年3名を被験者とした。

被験者に対し、「非行からの立ち直り」をテーマにPAC(Parsonal Attitude Construct;個人別態度)分析(内藤、2002)の手続きに従って心理技官が個別面接を実施した。少年の自由連想結果に基づき、各反応のプラス、マイナスイメージや重要度について評定させた。さらに各反応の類似度を7段階で評定させ、その結果に基づきクラスター分析を行った。後日、再度個別面接を実施し、各クラスターのイメージやクラスター間の比較について報告させた。

 

3者それぞれでクラスター(それぞれの課題)が異なるのは当たり前であるが、自分自身を自分で理解しようとする、自分の課題を自分で理解するということは、かなり重要なことは、かなり前から分かっている事実だと思いますが、それを、むしろ支援していないということが、ここで分かります。

この自分自身を自分で理解しようとする活動は、刑務所の中で行うのはもちろんですが、小学校、中学校、高校、大学でも、定期的に行うことで、かなりケアすることができるのではないかと思いました。先生との面談をする際に、どの年代でも一緒だが、急に2年生くらいになると進路の話をしますが、その前に、今どういう状態なのかを、1年のころから、毎年面談で確認することが重要ではないかと思います。

教師ができれば、いちばん望ましいですが、現状、それは大変であると思うと、例えば、生活指導、カウンセラーなどが行い、違った目で、その生徒を見るということはできるのではないかと思います。その内容を、先生が確認するという流れです。

 

話を戻します。それぞれの被験者の具体的な内容になります。

17才被験者の場合 クラスター1「自立に向けての行動」2「コミュニケーション」

16才の場合 1「再非行防止に向けての取り組み」2「生活の改善」

15才の場合 1「進学に関すること」2「再非行防止に向けた取り組み」3「正しい生活リズム」4「ひたむきに頑張ること」5「家にいる時間が多い」

 

ここから、考察に入ります。

本研究では、少年鑑別所に在所している少年本人に自らの立ち直りに関するイメージを挙げてもらい、PAC分析を用いてそれらを概念化した。この手法により、個々の対象者の立ち直りニーズを浮かびあたらせることができた。

個々の少年ごとに資質上または環境上の課題や、生かすことのできる資源は異なるのであり、これらを踏まえた上でいわばオーダーメイドの支援策を立てることが可能になると考えられる。

本研究による被験者が被支援者、調査者が支援者とするならば、PAC分析の手続きを通して支援策を明確化し、両者の間で共有することが可能になる。非行臨床の現場でPAC分析を用い、少年の立ち直りに関するイメージをクラスターに集約することで、少年が自らの課題についてどのように捉えているのかを理解することができる。さらに、それを元に支援者と少年が話し合うことで、支援者と少年双方のイメージが膨らんだり修正されたりし、少年が自らの立ち直りに必要な要因を考えるきっかけになると考えられる。加えて、支援者が少年から出たイメージを元に支援策を提示することで、少年に抵抗なく受け入れられることが期待できる。

 

どの場面でもそうですが、一方的な意見は、誰も聞き入れることができません。それが、自身のことであれば、自分と向き合えているならば、おそらくは、施設にはいないのではないかと考えられるからです。

施設に来たということは、自らの命を断つのではなく、他にそのやりきれない思いをぶつけたということになります。その感情のコントロール方法を、いろいろ書物が出ていますが、ヒトによって、いろいろだと思います。

ですが、この、どうしようもなくなった感情を、気付けることがまずは、重要ではないかと思います。先にも述べましたが、問題が起きる前に、このケアを、例えば、先生が考えて行う授業があると思うので、そこに当て込むことや、道徳の時間にこの内容を持ってくるなど、教育の現場でできることは多く存在していると思います。

また、このPAC分析を知らないので、調べてみます。

 

引用文献

内藤哲雄 2002 PAC分析実施法入門[改訂版]:「個」を科学する新技法への招待 ナカニシヤ出版

 

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