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セルフコントロールを欠く者は犯罪機会があれば、犯罪を起こしやすい

『犯罪心理学研究 第56巻 特別号(2018)』p.164に載っている 関嵐月、岡本英生氏の「自己嫌悪感、セルフコントロールと逸脱行為の関係について」をご紹介します。

この研究では、自己嫌悪感と逸脱行為との関係を明らかにすることを目的としています。

逸脱行為の原因として、しばしば用いられており、その妥当性も確認されているセルフコントロール(Gottfredsonn&Hirschi 1990)との関係も合わせて検討されています。

 

この自己嫌悪感は自傷行為などさまざまな問題行動と関係していると言われておりますが(Nockら2009)、非行などの逸脱行為との関係は、まだよくわかっていないことから、それを明らかにしようではないかという話です。

 

方法としては、ある大学の男女123名を対象に、質問形式で行われております。

 

自己嫌悪感とセルフコントロールの交互作用は見られず、それぞれの主効果のみが見られた。

自己嫌悪感とセルフコントロールはそれぞれ独立して逸脱行為に影響をしていると考えられる。

自己嫌悪感が低いと、逸脱行為をし難いと考えられる。

自己嫌悪感は自己破壊性につながり、自分に向かう攻撃性である(水間 1994)。

本調査の結果から見ると、そういった自分に向かう攻撃的な感情が、他人に向かう逸脱行為に繋がっている可能性があると思われる。

しかし、自己嫌悪感が個人の中でどのようなプロセスを経て他人への逸脱行為に至るのかについてはまだ明らかになっていないため、今後の調査でさらに検討する必要がある。

低セルフコントロールが低い、つまり、セルフコントロールが高いと、逸脱行為をし難いと思われる。セルフコントロールが低い者は、ある特定の行動の潜在的なコストを全面的に考慮しない特徴があり、即時的な快楽を求める傾向とリクスシーキング傾向が強く、フラストレーションへの耐性が弱く、衝動的で、他人のニーズや苦しみに無感覚である。

よってセルフコントロールを欠く(か:完全さをそこなう)者は犯罪機会があれば、犯罪を起こしやすいと指摘された。

 

自己嫌悪と、セルフコントロールについての交互作用は、見られないが、セルフコントロールができている人は、結果として、逸脱行為をし難いというのは、重要な内容ではないかと思います。

ここでは、その結果のみですが、このセルフコントロールを鍛えるためには、どのようなことをしたらいいのかを、調べていく必要があると思いました。

 

最後に自己嫌悪とはの紹介を載せます。

自己嫌悪感とは、客観的事実はそうであれ、否定的な感情や事象が自分自身に由来するとし、自分が自分自身のことをいやだと感じることである(水間 1996)。

自己嫌悪感の特徴は、嫌悪する主体も嫌悪させる対象も同じ自分の中にあることであることから、自己嫌悪感が攻撃的な強気な感情にも見え、萎縮的な弱気な感情にも見える(佐藤 2016)。

 

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