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「経度発達障害」は、個性か病気か

前回のつづきになります。

2001年『犯罪心理学研究 第39巻 特別号 発表論文集』発達と非行の中で、詳しい内容として、p.160『公開シンポジウム「発達と非行」ーわれわれが経度発達障害者から学ぶものー』小栗正幸(山口少年鑑別所)の中に興味深い内容がありましたので、ご紹介します。

 

“われわれが経度発達障害から学ぶもの

対象少年の発達的な査定は,今後ますます重視されるようになることは確実であり,例えば行為障害とか人格障害といった概念をいくら取り入れたとしても,そこに発達的な視点が持ち込まれなければ,教育や指導の展開に結びついて行かない。また,人格面に未熟さが目立つ幼稚な少年が増えたとよく言われても何のことかさっぱり分からない。

そこで,発達的な査定を考えるときに,経度発達障害の子どもたちは,われわれに実に多くのことを教えてくれる。なぜなら,経度発達障害は,より重症の発達障害と健常児・者との境界的な位置付けを有するため,その兆候の多くは一般の人にも個性として認められるからである。いわば,経度発達障害の症状は,健常人にも通用する発達的な凹凸のプロトタイプであり,それを知ることは,普通の非行少年の発達的な特徴を非常に分かりやすくしてくれる。

なお,経度発達障害は中枢神経起源の病態であるが,これは対象者の可堕性(かそせい:固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質(コトバンクより))を否定するものではない。彼らは,障害を持ちながら発達して行く存在であり,適切な査定と対象者の個性に応じた教育を必要としている。筆者は,かねがね神経心理学的ソフトサイン(微細な神経学的異常(発達障害(注意欠陥・多動性障害・広汎性発達障害など)より))の重みに着目していることから,この機会に以上の話題提供をさせていただいた次第である。”

「経度発達障害」について、中枢神経起源の病態であることが、ここでハッキリ述べられています。ここでは、避けます今度は、この「中枢神経起源」について調べてみたいと思います(加えてソフトサインについても調べたいと思います)。

たしかに“経度発達障害の症状は,健常人にも通用する発達的な凹凸のプロトタイプであり,それを知ることは,普通の非行少年の発達的な特徴を非常に分かりやすくしてくれる。”については、現段階では、個性として処理されていることでも、明確になってくると、これからどのように社会が処理していくのかは、課題になることであると思います(課題になってしまうので、明確にしないということもあるかもしれません)。明確になることで、早期に処置ができるので、個人的には、素晴らしいことだとは思います。受け入れられるかどうかは別の話となりますが。

明確になることは、自分のことを自分で理解することになり、そうなると、落ち着いて自分と向き合うことができます。課題が明確になることによって、今まで、何故かイライラしていたことが、ストレスになっていたが、それを理解することによってストレスではなくなることも増えると考えると、全ての人が生きやすい社会になるのではないかとも思います。

これは、したがって罪を犯すことも少なくなる社会ではないかと思っています。

明確になったところで、病気、個性とするのではなく、そういう特性を持っているということで自分のため、家族のため、社会のために、その特性と向き合うことが大切ではないかと思います。

これは、ひとりの力ではどうすることもできないことではありますが、分かりやすくガイドブックのようなもの、診断も誰でもできて、それが、関連機関と連携し、その診断結果は、全ての病院でクラウドで繋がり、どこに移動したとしても、快適に生きることができるのではないかと、そんな未来は、すぐにでも、できそうな時代になっていると思っています。

はじめの診断はAIで行い、細かいところは、人間が診断に加わる。しかも複数人加わるというのがいいと思います(複数人の診断というは、この「経度発達障害」だけに限らず、どんな病気でも是非やってもらいたいことだとは思います)。

 

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