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子育てはひとりではできない

前回のつづきとなります。

2001年『犯罪心理学研究 第39巻 特別号 発表論文集』発達と非行の中で、詳しい内容として、p.160『公開シンポジウム「発達と非行」ーわれわれが経度発達障害者から学ぶものー』小栗正幸(山口少年鑑別所)の中に興味深い内容がありましたので、ご紹介します。

“経度発達障害をかかえた子どもには広汎な専門領域が協力しての療育支援ネットワークが不可欠だということである。このネットワークの中にある子どもたちについては,かなりな部分で社会的逸脱への危険性を低めることができることも経験した。しかし,LD親の会にしても,全国で3000名程度の組織である。経度発達障害の発症率がLDとADHDについては一般人口中数パーセント,アスペルガー障害は約250人に1人と見積もられる現実を前にしたとき,本来必要な支援を受けることなく,周囲からも資質的なハンディキャップに気付かれないまま苦労している子どもたちがどの程度いるのかを考えると,暗たんたる気持ち(あんたんたる気持ち:見通しが悪く将来に希望が見えず不安な感じになること(「暗澹たる思い」の意味・類語【使い方や例文】より))になる。われわれの目の前に現れる経度発達障害をかかえた子どもたちは,まさにそうした子どもたちだということである。仮にこうした子どもが,矯正施設においてすら障害に気付かれず,「指導が浸透しない処遇困難な少年」というレッテルを貼られていたとすると,これほど悲劇的なことはない。”

「専門領域が協力してつくられた療育支援ネットワークの中にある子どもたちについては,かなりな部分で社会的逸脱への危険性を低めることができることも経験した。」という内容は、かなり興味深い。どのくらい低めることができたのかも気になるところではありますが、個人的には、1人でも低めることができたと言えるのなら、全国でやってもらいたいネットワークだと思います。

保育園では、手のかかる子というような表現を使われていますが、実際には、マイナスな表現ではなく、困っているのは、当事者である子どもですので、こういった子どもたちに合った環境設定の指南を、保育園、幼稚園、小学校等も(範囲が小学校まででいいのかは考えなければならないと思います)、このネットワークのなかに加えていただき、正解のない世界ですが、保育園では解決できない専門的なことを反映していくことが、子どもたちにとっての最善の利益ではないかと考えています。

この指南の内容は、親御さまにも必要であると思っています。

子育ては、社会と、家庭の連携で行われており、連続しているものなので、ご家庭でも、実践しなければなりません。また、子どもがどんな環境で、どのようなことをしているのかなども、知っておく必要があると思います。しかし、この話は、経度発達障害のお子さまに限らず、みなさまにも当てはまると思っています。

子育ては、ひとりでは、できないことですので、専門的なことは専門家に聞いて、ご自身の体調管理のために、夫、祖父母、ご兄弟・姉妹、友人、知人、または、関係機関、サービスを利用して、親とともに、お子さまも健康で、社会で生きていける環境を用意することが、子育てであると個人的には思います。

 

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