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セルフコントロールを大人になるまでに教育の場で身につけるプログラムをして欲しい

前回の「非行と行為障害~医療少年院の現場から~」奥村雄介(関東医療少年院)と同じ内容の続きになります。医療少年院での、教育プログラムについて、詳しい内容が載っていたので、ご紹介します。

“教育プログラムについては、非行の原因を取り除き、心身ともに健全な少年として社会復帰できるように次のような具体的な内容できめ細かく指導が行われているp.156”ようで、この内容は、“個々の少年の問題性に応じて医療と教育がそれぞれの役割を分担することになる。”のだそうです。

“① 日常生活に関する指導、交換日記、面接などによる健全な生活習慣形成のための個別指導

② 薬物乱用、性的な逸脱行為、家族間葛藤、不良交友など、それぞれの問題性の解明と解決を図るために編成された問題別グループワーク

③ 課題図書やビデオ視聴などによる追体験を通した情操教育

④ 農園芸、陶芸、版画などの作業

⑤ 映画観賞、ゲーム大会、クリスマス会、盆踊り大会などのレクリエーション活動

⑥ 洋裁、手工芸などの職業指導

⑦ 中学未修了者への教科教育

⑧ 体操、球技などの保健体育指導”

更生していくプロセスに対してのまとめとして“要約すると医療サイドは Problem Oriented System に従って『症状(または主訴)』を取り扱うのに対し、教育サイドは『症状』が繰り広げられている舞台である『患者』が生活する環境を整備し、社会に適合する方向に導いていく。非行少年は教官のもとに規律正しい集団生活をする中で社会規範を身につけ、セルフコントロールを学んでいく。p.157”と説明してくれています。

この素晴らしい対応の内容を、非行が起こるまえに、社会的に、専門家の連携で対処していくことはできないかと考えます。

前の記事でも述べたことと重複してしまいますが、この専門家と、当事者をつなげる仕組みが弱いと思っているので、そこを強化するだけでも、かなり循環していくのではないかと考えています。

児童養護施設などの教育プログラムでも、まずは、規則正しい生活習慣を送ることによって、精神を落ち着かせることができるとされ、ここでも、基本として、健全な生活習慣を送るためのケアが行われているということが分かります。

刑務所でも、消灯というような形で、強制的に行われているのだと思いますが(映画などを見た情報です)、各部屋で消灯の後に、無事かどうかの確認をドアについた小さめの窓から様子をうかがうというシーンをよく見ます。実際にそうなっているかどうか分かりませんが、自殺(ドアノブを使用して)してしまう方もいるので、その予防として持ち物の制限もあると聞いたことがあります。

多くの受刑者がいると思いますが、ひとりひとりのケアを、この具体的な教育方法と同じようにしてもらえないかと、いつも思います(すみません。前回にも同じことを述べました)。

公開しているものではないので、実際には、されているのかもしれませんが、個人的には、実施されていないのではないかと思っています。

被害者の方にとってみれば、出てきて欲しくないと思うかもしれません。ですが、同じ人間であり、生きてはいけない人は、この世には存在していません。さまざまな事情があった結果となります。説明を省略してしまいますが、分かりやすいのが「ジョーカー」の映画のような境遇であることもあります。本当にその人自身が悪かったのか?ということを考えて欲しいという気持ちです。怒りや、憎しみをその加害者に向けたところで、気持ちはおさまらないのではないかと思います。同じことを繰り返すだけでになり、何も生まれないと思います。これでは解決しないし、先に続かない、進めないと気付いて欲しいというのが個人的な思いです。被害者の方には、もちろんケアが必要であり、そのケアをされている場面は、映画やドラマでお見かけします。なので、被害者の方についての話題をあまり出していないので、ご了承ください。

私の言いたいことは、お互いに十分なケアが必要であるということです。完璧な人間は存在しないと思っています。

また、受刑者となった後の過ごし方が、重要であるといつも思います。よく映画や、ドラマなどでは、「あともう少しで釈放だな」と声をかけられますが、個人的には、その人の状態にフォーカスして欲しいといつも思います。

「もう少しで、ひとりの人間として自立(自律)できるな」っていう声かけであって欲しいと思います。もう、教育プログラムは存在しているので、それを使用することで、働いている方も、プラスのモチベーションで、職務を全うできるのではないかと思いますし、刑期ではなく、更生期間と言って欲しいですし、加害者もひとりの人間として、人権を尊重しなければならないと思います。

大人こそ、この教育プログラムが必要なのではないかと思います。刑務所は、更生施設として、プラスな場所とするべきではないかと思います。

 

<参考文献>

日本犯罪心理学研究会第39回大会 「非行と行為障害~医療少年院の現場から~」奥村雄介(関東医療少年院)

 

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