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  1. 論文

犯罪、非行を抑制するのはやっぱり教育である

前回からの続きになります(2001年に開かれた、日本犯罪心理学研究会第39回大会の発表論文集の中の、徳島文理大学の犬塚石夫さんの企画、司会による、「シンポジウム:発達と非行」にて、自己統制力についてのワードが上がっていたので、内容を見て見ました)。各専門家から知ることができる貴重な内容であると思い、紹介いたします。

関西医療少年院の奥村氏は、「非行と行為障害~医療少年院の立場から~」という論文の発表をしているので、ご紹介します。

まずは、行為障害についてですが、それについての説明も丁寧にしていただいているので、ご紹介します。

“操作的診断基準であるDSM–Ⅲ(1980)によって採用された概念で、その特徴は「他者の基本的人権または年齢相応の社会規範または規則を侵害するような行動様式が反復し持続すること」であり、反社会性人格障害の幼若型(ようじゃくがた)であると考えられている。精神医学的概念である行為障害と法的概念である非行は必ずしも一致しないが、両者は密接な対応関係がある。p.154”

この密接な関係があるということについての詳細は、次の記事でご紹介します。

結論からいいますと、専門家の中で、年齢での管理をするにあたって、未成年は犯罪という名前ではなく、非行という名前になるような具合に、名称を変えているだけというふうに感じました。行為障害は、成人でいうおころの人格障害(たぶん)のようです。

この論文についての結論を、いきなり記載します。

個人的な話ですが、論文を読む際に、まずは、なんで調べることになったのか、から、結論を見るくせがあります。そこから、どうしてこうなったのか?という内容があれば、その部分だけを見るという具合です。この順番だと、ダラダラと書物を読むことがなくなったので、すみませんが、その順番で記事も書かせてもらいます。

1 行為障害の治療・教育目標は『問題行動の除去』であるが、それは矯正施設というハードおよびソフトともに強固な構造の中で、医療部門と教育部門が密接かつバランスのとれた連携のもとに総合的な働きかけをすることによって可能となる。

2 治療・教育が進み、規範が内在化される過程において神経症的葛藤が生じ、言語化される。この段階で初めて本格的な精神療法的アプローチが可能かつ有効となる。

3 治療・教育が終結する手前でしばしば良性の退行状態を経過する。一見、悪化したかに見えるこの段階を経て自我が再構築され、社会化に向かう。

4 治療・教育は『育て直し』であり、それは『発達』つまり成長と学習を大前提にしている。

p.159”

これを見ると、やっぱり、行為障害ってなんなのか?ってなりましたので、行為障害ってなんなのかということを知るために、次回は、行為障害についての内容をご紹介します。

ここから感じ取れるのは、行為障害を一貫して見てくれる専門の施設はないということがわかります。

治療、教育というプロセスに分かれていて、その連携をとらないといけないという課題があるので、連携がそんなにうまくできていないのかもしれないというのも、見受けられます。

いつも思いますが、全ての専門施設に対しても、ここの間をとってくれる、繋げてくれる施設が必要ではないかということです。実は、この役目の人がかなり重要ではないかと思います。公務員だからといって、一般企業と同様に、引き継ぎがしっかりされていないところもあります。一貫した教育が必要だとも思いますが、現在の仕組みがそうさせるのではないかとも思います。

その仕組みの部分を見直すことの方が重要なのではないかと思うことが多くあります。

言語化されるという部分については、かなりいい傾向にあると考えられます。実は、このプロセスを、保育園、幼稚園でやっておくべきであると思います。親が不在なことが多い場合には、乳母的な役割となる方を側に居て欲しいと思います。実際には、お金がかかってしまうので、そういった子たちの居場所を、児童館、学校で過ごす、他にも、無料で開設して、高齢者がボランティアなどで居場所を提供してもらうなど、地域での取り組みはできるのではないかと思います。

宿題をそこでしたり、500円くらいで栄養価の高いご飯を食べれたり、第二の家のような空間を、複数人の高齢者と一緒にすごすというものです。親御さんとしても、居場所が分かり、ご飯も食べていると分かれば、安心です。社会的な問題で、誘拐も多いので、絶対にひとりにしないように、親御さんはそこへお迎えにいくということも必要ではないかと思います。場所は、空き家を使えばいいと思いませんか!相手にされないかもしれませんが、市区町村に打診してみます。

治療の段階で、いったん後退する現象があるというのは、興味深い症状であるなと思いました。この詳しい内容も、追って記事にします。

育て直しという表現がありますが、たしかに、幼少期にこういった教育ななされていれば、このような苦しみ、犠牲者も出さずに済んだということになります。

犯罪と教育は密接に繋がっていると思っていましたが、こんなにも密接であるということを、改めて感じることができました。

この論文については、まだまだ続きます。

 

<参考文献>

日本犯罪心理学研究会第39回大会「シンポジウム:発達と非行」

 

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