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TATを正常者が試みることで、自分で自分を分析する機会にもなる

前回のつづきになります。TATって何?と思われた方は、前回の記事を参照してもらえればと思います。

今回こそは、被検者の物語、分析結果をご紹介したいと思います。
カードの物語から、さまざまな項目に割り当てられていくのですが、その中のひとつに「人間関係」というものがあります。今回はその内容に沿ってご紹介いたします。
“「人間関係」a 特徴:実際に物語の中で登場する人物等が相互交渉(会話,身体接触など)しているものは,全部で20の物語のうち12である。特に,#1では導入人物を登場させながら相互関係を作っていない。また,#2では3人の人物に言及しながら,物語の中で相互交渉が描かれていない。#13MFでは,男女の登場人物に言及しながら,その関係は何も述べない。#9BMでは,昼寝をしている複数の人物を言語化しているが,一人が「起こそうかなと思っている」だけで,当然予想される相互交渉が言語化されていない。以上をまとめると,相互関係がない物語が多いといえる。(中略)圧力をかける–かけられる関係(#6BM,#11,#18BM,#7GF,#6GF),利害関係(#6BM,#7BM,#8BM)などが多い。また悪者は女性で
ある場合が多いようである(#4の浪費妻,#6BMのこき使う女主人,#10の株で失敗した妻,意味づけは少し弱いが#7GFの注意する母)。”
カードの内容は公開していないようなので、この被検者の頭のなかを、可視化するためのTATとなりますが、個人的に気になるは、読んだ物語をいくつか載せます。
“#6BM 64″ この男の人は,このおばあさんの運転手,召使い兼運転手,だいぶこき使われたので,この男の人は嫌気がさしている。このまま続けようか,辞めようか考えている。(で,将来は?)なんだかんだいっても嫌々続ける。(どうして?)やっぱ給料が良くて続ける。”
“#18BM 85″ 何か喧嘩しようとしているのを後ろから止められている。…結局何だかんだいっても,手の数から2人くらいいるけど,この男は不満ながらも止められた。(どうなった?)こと男は腹にすえかねながらも,諦める。(誰と,何が原因で?)…ある会社にいっている時に,取引先の人が前に言っていたことと逆のこのをやっていて,頭に来た。”
“7GF 15″ 赤ん坊抱いた人に,横の人が注意している。抱き方が悪いと注意しているところ。(それで?)言われたとおりにちゃんと抱き直す。(誰?)注意している人が母親で,持っている人はお姉さんに当たる人。(どうして ちゃんと抱かないの?)お姉さんはよそ見をしている。”
“#11 80″ この橋を渡ろうとして馬か牛か判らないけど,通るのを嫌がっている。それを人が一生懸命後ろから無理やり押している。(で?)結局,何だかんだいって,無理やりひっぱたいたりして通らせる。(何のために?目的は?)単なるジプシーで放浪の旅をしている。”
“#10 100″ 株か何かで失敗し,大損して,家も売らなくちゃいけないけど,どうしようか,すがりついている。…(誰が?)老夫婦ですかね。(どっちが失敗したの?)こっちのがおばあさん,(その後は?)結局すってんてんになる。全部持って行かれた。(男の人は?)夫婦だとしたら同じ運命で,財産も何もなくなってしまう。”
この分析データをもとにして、解析をしていき、仮説をたてます。
“b 仮説:①現実場面でも社交性に乏しく,対人スキルも幼稚で,はっきり自己主張しない傾向があり,②他人と情緒的で暖かい関係を持つことができにくく,③むしろ,他人から圧力を不当にかけられがちといった対人被害感が強いといえる。④また,人間関係を損得関係で見る傾向もあえる。⑤特に女性に対する敵意を内在させている。などのことが推論できる。”

今回は、人間関係についての内容になります。分析の方法としては、いくつかの絵が描かれたカードを見て、そこからイメージをして物語をつくり、それを読んでもらうというものなのですが、全ての物語から、ヒントをつなぎ合わせて、深層心理を探っていくというのがTATの方法のようなのですが、ここでも、この分析をする方の裁量、表現方法、偏りがかなりあるのではないかと思っています。

表現については、マークシートのようなもので、度合いを示すということをしたり、幼稚であるという表現も抽象的なので、結局数値に表すことができないことにもなる。分析をしている人が、幼稚と表現をしてしまうと、それを拝見する第三者も、「幼稚なのか」という先入観、植え付けをされてしまう危険性があります。

TATは、そこの統制が必要なのではないかと、個人的には思いました。この様子を見ると、カウンセリングもそのように行われており、ある人から見ると、全然大丈夫ではないのに、その担当者は大丈夫として診断してしまう可能性も考えると、責任を取らせることもできず、怖い世界だなと思いました。

医者でも、セカンドオピニオンが必要だと聞きますが、カウンセリングだって、必要であると考えられます。費用がかさんでしまうので、そこについても、国が支援をしてくれたらありがたいと切に思います。

 

このTATについては、絵をどこかで提供してくれるならば、自分自身で行い、その答えを自分で分析をすることで、今の自分の考えの傾向などを、自分で認識することができる機会になるので、その使い方としてもいいのではないかと思いました。簡単な心理テストというのはありますが、いくつもの絵で物語を作ることで、傾向が見えてくるという点が、TATの特徴ではないかとも思います。

ちょっと調べてみましたら、TATを使用した心理テストのサイトを発見したので、リンクを貼っておきます。「TAT 絵画統覚検査

 

<引用文献>
「犯罪心理学研究第39巻第2号 TATの情報分析枠(the Frame of Information Analysis)の提案 –TATプロトコル分析のための新しい枠組み– 藤田宗和」

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