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  1. レポート

「ジョーカー」をぜひ観てほしい!

前回のつづきになります。

被検者の物語、分析結果をご紹介する前に、被検者についての情報の詳細が載っていますので、そちらを先にご紹介します。
“被検者の面接時の印象は,おとなしいが,やや暗く,固い。面接時拒否的な態度は見られないが,相手に合わせる気配りはなく非社会的な性格であることをうかがわせる。トツトツとしゃべるが,こだわるとムキになり,自説を曲げない。本件についても,すっきりしたと述べるばかりで,最後まで反省の気持ちは示さない。なお,家族などの周囲から得られた情報は(中略)幼少時から両親に厳しいしつけを受け,早期から脅迫的な行動が出現している。高校時代から,家庭内暴力が始まる。その後,家を出て,一人暮らしを始めるが,仕事は長続きせず,転職を繰り返す。ただし,徒遊期間はほとんどない。これまでの問題行動としては、実家のペットを残虐な手口で殺す,アパートの隣人の騒音を注意したことからトラブルになり,相手に傷害を負わせる,近くの飼い犬がうるさいと傷つけるなどがある。
被検者は,こうした生育史上のエピソードや問題行動については,自ら供述せず,彼ら情報をもとに,筆者が確かめるとやっと認める。”
※遊徒(ゆうと)とは、無益(無職)で、遊んでいるという意味であると推測します。
こういった性格から、被検者の内面,対人,家族関係のあり方を打診するため,TATを実施されたのが、この実際の内容となっています。
今回はつづきである、被検者がカードを見て語った物語の別の内容を紹介しようと思ったのですが、つい先日、絶対観なければならないと思っていた、現在放映中の「ジョーカー」を見ました。
この被検者と、「ジョーカー」はかなり似通っている箇所があると思ったので、今回は、この回にしたいと思います。
「ジョーカー」の内容は、リアルなファンタジーだったと思っています。
実は、バットマンをあまり見たことがないので、そのファンタジーの部分での興奮はおそらく、ファンの人と比べたら、かなり低かったと思います。
個人的には、リアルな犯罪者までの過程を描いてくれているので、バットマンという有名な作品ということで、見てくれる人が多くなるから、心から嬉しいと思いました。
是非とも、ひとりでも多くの人に見て欲しい作品であると、胸を貼って言えます。
ジョーカーの製作者さんに感謝の手紙を渡したいくらいです(メールではなく、手紙なのもこの作品に因んでです)。
まだ見られていない方も多いと思うので、詳しい話ができないのが、残念ですが、見終わった周りの人を見ると、みなさん、ジョーカーと同一視をして、どんよりとしており、「重たい作品だったね」と口々に言っていました。
もうひとつの見方としては、日本には、ジョーカーみたいな悲しい人生を送る人はいないのだから、ジョーカーを見て、自分は大丈夫と元気を出すこともできるのではないかとも思います。
私自身は、犯罪者になっていく過程を見て、ありえない内容ではなく、限りなくリアルな内容にもなっているので、反論しようと思っても、できません。
犯罪者となっていくプロセスで、やってはいけないことをしてしまったという感情が残っている部分から、高揚感になっていくという描写の部分が、個人的には、こういう感じになっていくんだなぁと妙にリアルな部分をこの映画で観ることができました。私にとっては、本当にありがたい作品です。
ジョーカーが指示される理由というのも、社会的問題があるからなのですが、その部分も見られた方が、考えていただける機会にもなるので、いろんな意味で、個人的には嬉しい作品ということで紹介させていただきます。
自身がジョーカーだったら、同じことをしているのか?本当に悲劇の連続なのですが、本人は喜劇(いろんな意味が込められ、はじめと終わりの描写も喜劇的な演出がされています)であると締めくくっています。
むしろ、バットマンを観てジョーカーを追わないといけないなと思ってしまいました。
冒頭に戻りますが、当論文の被検者と比べて、ひとつ言っておきたいのは、ジョーカーは動物には手を出していません。
被検者の場合は、自分の居場所がなく、安定しないという苛立ち、不安などから、この感情を発散する矛先が、動物になっていたのだと考えています。動物は言葉を発しませんし、自宅のペットという表現から、小動物だったのではないかと推測します。そこから、ストレスを満タンに抱えた状態で、犬の吠えるうるささで、飽和状態で漏れてしまい、対象の犬に苛立ちをぶつける。そして今回が、その吠えていたのが犬ではなく、人間であったというだけなのかもしれません。
ジョーカーの話と紐付けますが、彼自身は悪くないと思いませんか。ジョーカーも劇中で、「俺が悪いのか、社会が悪いのか」という言葉があります。
こう言った境遇の方は、結構存在していると予想しています。もちろん、彼がしたことは、法に触れているので、犯罪行為になりますが、犯罪者を生み出さないために、社会ができることとを考えて行かなければならないと思います。仕事のカウンセリング(職に就くまでと、就いた後)、その他に、プライベートな部分の心身のカウンセリングを国で支援ができれば、日本はカウンセリングの仕切りが高いですが、皆受けなければならないと決めれば、そんな仕切りもなくなります。おかしい人がカウンセリングを受けるのではなく、おかしくなる前に受けるものであるという認識でできれば、問題になる前に解消でき、少しは軽減されると思っています。
ジョーカーもそうですが、相談できる友だちがいないようでした。まわりから気持ち悪い、不気味とされているためであると推測できます。そういった方たちにコミュニティーや、カウンセリングをすることで、人生を豊かにする支援になるのではないかと思います。
犯行に至ってしまう方は、相談できる相手がいないことも特徴であると考えると、カウンセリングの場を設けてもらうことは、結果的に日本国にとって、犯罪が減るというだけではなく、経済が好循環していく(適材適所)ことにも貢献できるのではないかと考えると、是非、国の予算は赤字ですが、彼らの適材適所が見つかれば、経済が動き出す投資だとおもったら、切にやっていただきたいと願います。
まだまだ、いろいろ語りたいことがありますが、それは結構なネタバレにつながってしまいますので、ここまでにします。
次回こそは、物語のカードについて、取り上げます。
<引用文献>
「犯罪心理学研究第39巻第2号 TATの情報分析枠(the Frame of Information Analysis)の提案 –TATプロトコル分析のための新しい枠組み– 藤田宗和」

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