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パーソナルスペースを意識すれば、快適空間をデザインできる

『インテリアの人間工学』という本から、人間工学という分野の学問があることを知りました。

人間工学の特徴について、この本では、”人間工学のねらいは人間の能力に合わせて、機会や道具を設計するということであった。p.18″ であった。となっているのですが、本質的な狙いは、この通り、人間に合わせて、環境を設計するということではないかと思います。
この本は、その機会、道具のテーマが、インテリアになっています。その中で、パーソナルスペースについての内容が載っていたので、ご紹介します。
“パーソナルスペースは相手と離れていたいという距離である。しかし、一方で人間には相手の人と会話などのコミュニケーションをとりたいという欲求もある。(中略)親密な会話をするのも、それにふさわしい相手との距離というものがある。p.85”
文化人類学者のエドワード・T・ホールさんが、言うには、”対人距離は地域によって異なることを強調しているが、家具配置やテーブルの寸法を検討する際には今日でも示唆に富んだ知見である。” とされています。
精神科医のハンフリー・オズモンドさんは、次のように述べています。
“空間には人間同士の交流を活発にするソシオペタル(sociopetal 社会求心)配置と、人間同士の交流を妨げるソシオフーガル(sociofugal 社会遠心)配置があることを指摘した。ソシオペタルは互いに向き合うような配置、ソシオフーガルは互いにそっぽを向くような配置を意味する。(中略)座席配置は、どちらがよいというか悪いかという問題ではなく、プライバシーとコミュニケーションをコントロールするための手段として理解すべきであろう。p.86”
西出和彦さんは、住宅のLD空間での人々のいる場所の観察から分析し、
“家族の親密な団らんなどは直径1.5mの輪の中で、大人数でのくつろいだ団らんなどは、直径3mの範囲に話の中で行われる傾向にあるとのことである。また、食事の準備や、来客への挨拶などは、1.5mの輪の外側にいながら、3mの輪に入ったところで参加することがあるそうである。p.87”
“人間のまわりに分布する「これ」「それ」「あれ」で、(中略)1.5mの輪が「これ」領域とほぼ同じ大きさであり、3mの輪が「それ」領域とほぼ重なることは興味深い。p.88”
これは確かに興味深い話です。
人によって、パーソナルスペースの領域が異なるということも聞いたことがありますが、人が存在する空間を考える場合、このパーソナルスペースを考慮することは、必要なことであると考えられます。
地域性があるという考えについては、日本は、もしかしたら、どの国よりも、パーソナルスペースが遠いのではないかというのも考えられます。挨拶をするときに、他国よりも近づかないという理由だですし、どこかの研究内容を参照したワケでもありませんが、私の考えた上の話です。ですが、日本の家は狭いので、否が応でも、距離が縮まっているのではないかとも思います。
日本だけの場合を考えますが、西出さんの話によると、団らんしたい距離があるということが分かっているので、仲の良い家族であれば、団らんとできる場所の環境が必要であるということになる。
そんなに親密ではないお客様や、お友達を呼んだりする場合には、1.5mではなく、3mの領域を意識する必要があるということであると考えると、小さな家は、やっぱり、お客様を呼ぶことができるないという結論に達するかもしれません。
あとは、狭い家では、プライベートを確保するのが難しいですが、住んでいる人と、「そっぽ」を向くことができる空間づくりをすれば、コミュニケーションしたいときと、プライベートな部分と、同じ空間でも、用途を分けることによって、限られた空間でも快適な暮らしを送ることができるのではないかと考えられます。
我が家がまさに、狭い空間になっているので、デザインをしてみたいと思っています。
<参考文献>
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