『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』では、ハーバード・ビジネススクールの教授が教えてくれる、ビジネスについてのあれこれを教えてくれている本になります。
“文化とは、共通の目標に向かって力を合わせて取り組む方法である。その方法はきわめて頻繁に用いられ、きわめて高い成果を生むため、だれもそれ以外の方法で行わなくなる。文化が形成されると、従業員は成功するために必要なことを、自律的に行うようになる。” p.185
企業にとっての悩みの一つに、後輩のモチベーションだとか、なかなか成長をしないだとか、態度が悪いとかなどがあると、仕事がうまく回らなかったり、今後の未来を支える人材になるので、重要な問題であると思います。
従業員の教育として、言われたことをやってもらうのは、もちろんなのだが、全てを指示しないと動けないのも、企業をしては困ることです。だからと言って、検討違いの方向に行ってしまうのも、問題なのですが、挑戦している分は、まだマシではないかと個人的には思います。
従業員の自律性を育てるのに必要なものとしては、企業として大切にしていることが文化になっていること(受け継がれていることで、企業に浸透していること、当たり前になっていること)。これは、軸となるものがないと、方向性が分からず、従業員もどこに行っていいのか分からないからであると考えられます。
次に、実際に従業員に学習をさせる必要がある。その教育とは、共有学習を行うことが重要であるとされています。
この共有学習とは、問題となっていることを共に共有し、解決をするために有効な方法を考え出そうとする取り組みのことを言います。
責任者は、問題や、タスクが発生するたび、成功するためには、何をどのようにするべきかということ決定を下し、それを繰り返していくと、望ましい結果を導いていくことで、従業員が同じような問題に直面したときに、同じ決定と同じ問題解決法に立ち戻るようになるというのが狙いです。
これは、狙いじゃなくても、問題を解決していくのは、必要なことです。ただ、その解決をするところで、従業員を一緒に同席をさせるということが重要であるということです。いちいち教育をしなくても、問題が発生をした時に同席をしてもらうだけでいいのですから、簡単かもしれません。重要な問題の時には、TOPだけでとなるかもしれないが、小さな問題でも、一緒に考えていくということが、企業のためには、時間を作る価値があることであると言えます。
“従業員は事業における優先事項と、それを実行する方法に関する理解、つまりプロセスを生み出しているということになる。文化とは、組織内のプロセスと優先事項が、独自の方法で組み合わさったものをいう。” p.186
従業員それぞれが、自己管理型になることになり、いちいち管理職が監視する必要もなくなり、優先事項(共通の目標)が分かっていることで、全員がなすべきことを直感的に進めていくことができるという理想とする企業が出来上がる。
時間をかけるべき箇所を改めるだけで、効率良く、時短で従業員を育てることができ、しかも、特別と言って難しいことではないので、今からでも、すぐに実践できることなのが嬉しい点です。
ここからは個人的な話ですが、企業にとって大切にしたいことが無い場合、社長の想いでいいと思うのだが、問題を解決していきながら、大切なものができてきて、それが文化になっていくという順番でも、いいのではとも思う。
決まってしまっていると、そこから動かすのは難しくなってしまうが、決まっていなかったら、ここにいる人たちで作りあげていくということが、健全なのでは無いかとも思います。
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