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子どもに自信と誇りを持たせる方法

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』では、ハーバード・ビジネススクールの教授が、ビジネス以外にも、子育てについても、アドバイスを書いてくれています。

どんなに習い事をしても、いい学校に入学させても、自発的にハツラツとした態度がない。そんな、自分に自信を持てないというお子さま、または、大人さまに、知っておいて欲しいことが、記載されていたので、ご紹介します。

 

“私はこのときの経験から、自分の問題はできる限り自力で解決することを学び、自分の問題を自力で解決できるという自信をもち、また自分がそれをやり遂げたことに誇りを感じた。おかしなことだが、わたしはあの靴下がすり切れて、はけなくなるまで、靴下をはくたびにつま先の直したところを見て、「ぼくが直したんだ」と思ったのだ。

リーバイスの膝をどうやって直したのか、いまとなっては思い出せないが、きれいに直せたはずがない。だがそれを目にするたび、うまく直せなかったとは思わなかった。わたしが感じたのは、自分で直したという誇りだけだった。” p.153

この話は、著者の実体験になります。

冒頭のこのときの経験からというのは、文中にある、靴下の破けた穴を自分で直したという経験です。

ここまでの経緯としては、著者が小学校低学年の時に、お気に入りであった靴下に穴が空いてしまい、しかも両足にです。穴が空いていても、お気に入りではなかったら、この穴を直したいとも思わなかったかもしれません。そして、著者の母も直すということをしなかったという条件が揃ったこと。そして、著者の母は、6人目の子どもを産んだばかりという最大の条件が重なっていました。

穴を直したいという気持ちで、母にお願いをしに行ったが、そんな時間はない。そして、新しい靴下を買う余裕もなかった。

この状態で、この母が取った行動は、靴下の穴を直す方法を教えたということでした。

しかも、その教え方に、個人的に関心が止まりませんでした。そこら辺の教育者よりも、教え方に愛があり、挫折することなく、続けられる方法だったからです。そして、結果的に、大人になった今でも、その経験のおかげで、今の自分が出来ているというのですから、全ての保護者、また、教育者が今からでも実行して欲しいと思ったくらいです。

その教え方ですが、まず、著者に対して、針に糸を通す方法を教えました。それが出来たら、持っておいでと約束をして。それを終えるのに、10分かかったそうです。それができると、靴下をとって穴の周囲に針を通してから糸を引っ張って穴をふさぐ方法を教えた(巾着のようになって、結果的に穴が塞がる)。ひとつは見本として母が30秒かけて見せ、もうひとつの靴下を、著者に渡したという、ただこれだけのことでした。

全ての工程、ここでは2つですが、順番に、本人にやらせているということも重要です。そして、最後にそのまま渡して、結果はどうなってもいいという状態にしていることです。

もしかしたら、教えた通りにうまくできているかもしれないし、途中で断念して穴が空いたままかもしれない。別にそれでいいという感じに放置をしていること。正確には、見守るような状態になっていると思います。

穴を直したいという動機があり、片方は直っていて、片方は直っていない状態が、嫌かもしれない。どうしても直したかったら、汚くても、直すであろうとなる。それを見守るという状態です。

これが、工程ごとではなく、2つの工程を一度に教えてしまっていたら、こんなふうにはならなかったのではないかと予想しています。工程をひとつずつこなしていくということで、やりたいことを成し遂げることができるという経験を得ることで、面倒という感情を植え付けることなく、簡単にしていることも重要であると思います。

この靴下の行方は、書いてある通り、どのくらい時間がかかったのかは分かりませんが、目的を達成したようです。

そして、話の中にあるリーバイスの膝の件は、靴下のあとの出来事で、また、穴が空いてしまい、6人も兄弟がいることで、1人2本までと数が決まっていたため、直さなければならないということになった。小学校3年生のことだったそうです。

これも母に相談をすると、次は、ミシンの使い方を教えてくれたそうです。

これもまた、工程ごとに、糸の付け方、使い方、ジグザグに縫うための切り替え方法。これだけではなく、何かを直す時は、様々なやり方があるというヒントも2通りほど、教えてくれたそうです。選択できるスタイルをここで持ってくるというのは、考える思考も身につくことができます。そして、自分で選んだという充実感も得られたはずです。

ミシンは慣れが必要であるため、著者は苦戦しながらも、なんとかやり遂げたのだそうです。この内容の続きは、冒頭の内容になります。

まだ、この話には続きがあります。母の見守り方です。決して綺麗に出来上がっていないリーバイスの膝の直し跡を、何も言わずに見守ってくれていたことです。母親にとっては、みっともない格好をさせるのは、家庭の品格が下がってしまうと、母親が整えたりするのが、一般的であると思います。ですが、それを、手直しすることもなく、何も言わず、この子が直したのだと、見守ってくれていたのだと、著者は感じているそうです。

個人的には、この内容全てに賛同したいますが、特に、できたんだねーとか、よくやったねーとも言っていないところが、賛同できるところです。

自分で成し遂げたいことがあって、それに対して、達成できる術を指南し、実行させ、それを成し遂げることが一番のご褒美だからです。

褒めることなんて、個人的にはどこにもないと思っているタイプです。

そして、この成功例が、ハーバード・ビジネススクールの教授なのですから、保護者も教育者も、みんな子どものために、この教育方法を真似して欲しいと、本気で思っています。

 

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