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オフィス空間を緑化することでストレスが緩和する件

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オフィス空間における室内緑化のストレス緩和に関する研究」(「職業能力開発総合大学校」橋本幸博、松井奈保子、鳥海吉弘 原稿受付2016年12月1日、受理2017年3月31日)では、1日の1/3以上いることになるオフィス環境について、受けるテクノストレスを、緑化することによって緩和することができるという研究をされていたので、ご紹介します。

 

研究方法は、評価グリッド法[※1]を使用しています。また、対象は大学校の学生21名(半分は建築専攻)なので、実際にオフィスで働いている者ではないこと、21名という少人数であることから、参考になるかは、個人的にはなんとも言えません。まず結論に入ります。この結論から、皆さんはどう思うだろうか。

 

“1.緑化は観葉植物の方が、人工植物より心理的評価が高い

 2.緑視率は中程度が最も好ましい

 3.緑色のインテリアは、ない方が好ましい

 4.植物については、緑量・配置・形状に関して、バランスが良いことが求められる

 5.オフィス空間には「明るい」と「馴染みがある」ことが求められている”

 

これだけ書かれてもパッとしないと思うので、少し説明させていただきます。

緑化する手段として、人工植物よりも、観葉植物の方が良さそうというのは、そんなこと改めて言われなくても分かりそうなことだが、この研究では写真を見せているので、それでも分かるような人工植物ということなのかもしれない。

自然なツヤであったり、お世話をするというのが、いいのかもしれないし、人間も有機物として、生きている植物といる方が、居心地も違うのかもしれない。

ここでは、観葉植物の方が良いという理由は聞いていないのか、載っていません。

 

緑視率は、中程度が好ましいとされていますが、この度合いは、全体の3.2%になります。これ以上、これ以下だと、多すぎる、寂しいという印象を受けるようです。

 

植物はおくが、緑色のインテリア(壁が緑、椅子が緑など)はない方が良いというのは、半数以上もの意見からだが、どうやら写真に写っている緑色が、明るすぎてしまっているため、別の配色ならよかったのかもしれないということだった。これは、センスが問われる領域ではないかと思ってならない。ただの緑なんて、芸術家からしたら何色なのか?となるに違いない。

 

バランスよく配置するということは、とても曖昧な表現だが、これは何故かというと、意見がバラバラとしていたからだと思われる。机に置いた方がいいとか、置かない方がいいとか、端に置いた方が邪魔にならないとか、様々だ。ないとないで、寂しいし、距離感をしっかりと取っていないと、圧迫感を感じるという意見もある。圧迫感を感じると、のびのびと仕事ができないという意見もあり、だから、バランス良くという結論になったのではないかと思われる。

 

最後に「明るい」と「馴染みがある」という結果だが、これは、明るすぎという印象になると、疲れてしまうので、望ましくないようだ。家具については、オレンジ色、赤などの暖色系が最も多かったようだ。そして、この馴染みがあるというのは、ごちゃごちゃしている、うるさいという状況を避けるために、最低限しか置かない、馴染みのものを置くという回答があったためだ。

この馴染みのあるものというのは、個人差があるため、家族写真だとか、ガンダムのフィギュアになるかもしれない。

これでいいのだろうか?個室になっている外国のオフィスなら、他の人の視界に入らないので、いいかもしれないが、視界に入ってしまうということは、誰かにとっては、ものすごくストレスかもしれないということだ。

 

この研究の結論として、“オフィス空間では、室内緑化による心理的効果が得られる”と、ハッキリと述べている。評価をまとめると、オフィス空間に植物を配置すると、リラックスできるという気持ちになり、そうすることによって、気持ちの余裕ができるので、良好な心理的効果があることが、結果として出たようだ。

 

個人的な意見としては、リラックスをした状態で仕事をすることが、本当に良い環境なのかが不明であると言える。集中したい時には、狭い空間がいいのではないか?とか、ストレスを感じたときに、この緑化することによって軽減されるとして、別に、ストレスを感じていないとき(正確には、そんなことはないと思うが)には、リラックスしすぎてしまったら、仕事の効率化はどう響いてくるのかということの方が気になってしまう自分がいる。

リラックスしたいときには、別で空間を設けるというのは、どうだろうか。戻ってこれないという危険性があるだろうか。

ストレスを軽減するというよりかは、仕事の効率が上がる空間として環境を整える方が、経営者的にも、働いている方としても知りたいことかもしれないと、緑化の論文を見て思ってしまうのは申し訳ない話でした。

 

ちなみに、使用された観葉植物と、人工植物は「パキラ」でした。

[※1] 評価グリッド法:人間が持つ各人固有の理解・判断の仕組みによって、環境評価に関して、何を知覚してその結果どのように評価を下しているのかという認知構造を把握するための方法として、インタビューを通じて、対象写真に関する好みの理由を聞き出し、その理由を面接者が被験者に対してラダリング[※2]していくこと(同論文内引用)。

[※2] 商品の持つ属性が消費者のどのような価値観に繋がり評価されて購買に結びついたのかを明らかにすることを目的とする(Weblio引用)。

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