環境問題とされる廃材の可能性を考える「REMIDA(レミダ)」と呼ばれる場所|イタリア レッジョ・エミリア

この記事でわかること

  • 幼児教育「レッジョ・チルドレン」に興味のある方には、あまり出回っていない情報を得るコトができる。
  • 環境問題となっている廃材の再利用方法について、イタリアのレッジョ・エミリアでの取り組みを参考にできる。

目次

  1. 「REMIDA(レミダ)」ってなに?
  2. 日本でもできるの?
  3. 廃材の可能性って?
  4. 「REMIDA(レミダ)」の中ってどんな感じ?

1.「REMIDA(レミダ)」ってなに?

「REMIDA(レミダ)」と名付けられてた廃材置き場が、イタリアのレッジョ・エミリアにあります。

地域から排出される廃材(産廃)の中で、可能性のあるマテリアル(素材)が集められており、誰でも入ることができる場所になっています。

レミダについては、わかりやすい記事があったので、次に引用します。

レミダはレッジョにある市と協同で運営する公立の非営利団体のリサイクルセンターであり、ここに集められた素材は市立園に配布され、子どもたちの創造的活動を支える機関として機能しています。また、学校・教育関係者であれば、年間パスを買うことで、必要に応じた量を自由に持ち帰り、表現活動に利用できるシステムになっています。

運営するスタッフは、もともと幼稚園などで教師やアトリエリスタとして働いていた人たちで、どんな素材をどのように子どもたちに提供したらいいのかを知り尽くした専門家です。市の清掃局とのタイアップにより、廃棄された未使用の素材の中から、プロの目を持った彼女たちが造形表現に使えるような素材を選別していくのです。このセンターは、リサイクル素材の可能性を最大限に追求していくことを目的とした、文化的なプロジェクトとして運営されています。[※1]

2.日本でもできるの?

この取り組みにたいへん感銘を受けたので、日本でもできないかと、近所の産廃業者に問い合わせたところ、日本では産廃になると、マテリアルがどのように処理されて行くのかという過程の部分で、お金が流れているので、産廃業者が扱っているときに「それ、下さい!」と間に入って言うことができないのだそうです。

産廃業者からマテリアルをいただくことが、いちばん楽だなと思ったのですが、それができないことが分かりましたので、可能性としては、町工場の人に事情を説明して、廃棄物を廃棄してしまう前に、「それをいただけませんか?」と相談すれば、やれなくはない取り組みだと思います。

この取り組みの中で、個人的に大切だと思うことは、廃棄することになったマテリアルが、どのようにして生まれたのかを知れることではないかと思います。

「これはなんだ?」と興味が芽生え、それについて考える機会にもなり、廃棄する場合には、どのような行程で処理されるのかという学びにもなります。もちろん、その廃棄されるモノが生まれないのが、いちばん環境のことを考えたら害がないことだと思いますが、そこから、どうしたらゴミが出ないように商品開発ができるのかを考えることができます。出てしまったモノについては、リサイクルという観点でも考える機会となります。

そして、その廃材が地域の町工場で、生まれているのであれば、廃材から仕事の内容を知ることもできます。一般的には、まず仕事の内容があって、どんな仕事をしているんだろう?ということは学ぶと思いますが、その先の廃材なんて学ぶこともないのではと思います。ですが、廃材から考えるという視点を変えることによって、モノゴトの見え方が変わって、別の視点で考えられるきっかけになります。そこからまた、視野を広げて多くの学びに発展することもできます。

3.廃材の可能性って?

廃材には、現在進行中の技術が詰め込まれていて、最先端とも呼べるものを、肌で触れることができ、情報を得る機会を与えてくれます。使用されている素材であったり、フォルムなどのデザインや機能面など、子どもたちの教育上でも、完成された玩具にはない、使い方に無限の可能性があり、アイデアひとつで、どんなモノにも表現することもできます。

アーティストたち、教育者たちをはじめとした大人たちが、この「レミダ」に訪れることができ(子どもも入ることができると思うが、環境が子ども向けに設けられていないのと、場所はさほど大きくなく、子どもだけが実際に入ったところを見ていないので、確かな情報は分かりません。)、廃材に触れ、それぞれ個人の感性で、マテリアルの可能性を見出す機会が与えられ、考えることができる(これは過去を考え、未来を考えていると言えると思いました。)環境が、素晴らしい取り組みであると思いました。

廃材を使用して、何かと組み合わせたり、何かに見立てたり、制限のない自由な表現が可能になるので、その行為自体が作品と言えるのではないかと思います。それが完成しなくても、しても、興味を持つだけで、刺激になり、その人の人生の何かになる可能性があると思います。

どうしても、こういった素材を日本で取り入れようとすると、「怪我をしてしまう」「危ない」「不潔」という問題が出てきてしまいます。ですが、教育の現場であれば、教育者と、子どもたちとの信頼関係であったり、適齢のマテリアルを見極める必要があります。保育園であれば、保育者がずっと見ていられる環境下で、ちょっと危ないかなと思われる素材を選ぶなどの設定をする工夫を施すなど、時間と人員の余裕も必要になります。

教育の現場であれば、まずは教育者自身が、このマテリアルの可能性を知ることが必要で、保育園であれば、保護者とも一緒に触れ合う、考える機会を設けられたら、理想ではないかと思います。実際には難しい取り組みで、簡単にはできないことが多いです。大切なのは、子どもたちの無限の可能性のためであることが共有することができたら、美しい関係を築ける予感がします。保護者会などで、機会を設けるなど、工夫は考えればできるのではとも思います。

4.REMIDA(レミダ)の中ってどんな感じ?

残念ながら、「レミダ」の建物内は、撮影ができなかった(自分のつたないイタリア語のせいで、アポはありますか?と聞かれましたが、ありませんと素直に答え、交渉することができませんでした。)。

「レミダ」の場所は、学校の1室となっているので(学校と思っていましたが、保育園でした。)、先にも言いましたが大きい場所ではありませんでした。

建物に入ると、子どもたちが、廃材を使って作ったモノが少し置いてあったり、本(古本)が置かれている部屋がありました。本のディスプレイ方法が日本とは異なり、タイトル、シリーズ、種類別で並べられているのではなく、色別でグラデーションされて置かれていました。

もうひとつ奥に部屋があり、そこには、ゴム製の何かや、プラスチックの何か、布の切れ端、紙のロールなど、様々なマテリアルが置かれています。そのマテリアルについての説明とともに、廃材が置かれていて、そこには、大人が数人その時居合わせまして、大人同士が相談しながら、マテリアルを選んでいる場面に遭遇することができました。また、主婦らしき方もいて、布コーナーで、何かを探しているように、マテリアルを触っているように見えました。これが「レミダ」の日常風景のようでした。

ちなみに、レミダの名前の由来は、次のようにギリシャ神話から来ているそうです。

イタリアでは王を「RE」、ミダスを「MIDA」とつづります。REMIDAはつまりミダス王、の名を冠し、そのメタファーにはあらゆるものが黄金のように輝かしいモノに転換する、という意図があります。[※1]

参考資料

[※1] 「レッジョ・エミリア・アプローチ」世界で最も革新的な幼児教育③-レッジョ・アプローチを支える地域の施設と仕組み

このとき私は、アポがないという事で、当日写真が撮れませんでしたので、イメージができない方は、公式サイトにて、写真が1枚掲載されていたのを発見しました。そちらを参考にしていただけたらと思います。

REMIDA – THE CREATIVE RECYCLING CENTRE

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作成者: Tangoo

どうして人は罪を犯してしまうのか、その原因を知るために、本を読んだり、旅に出て、見たり聞いたり、人に合ったりしています。そこで、学んだこと、知ったことをブログにしています。

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